『 優しい旅人に 』 一休
さあ 荷を負って
病む母のもとへ
再びの故郷へと 道を急ぐ人よ
(わたしは放浪してるの? それともしがらみの内に?)
私にはとても云えない
「誰もが、その願う所に、住むことが許されてはいない」などと
流れる小川には 小魚がきらめき
樹々は 葉をふるわし
そして あなたは 小さな肩を励まし
荷を負い直し また道を急ぐ…
ああ 私には 言い当てることができる
あなたが そこで 懸命に信じまいとしていることが 何であるかを…
優しい人よ
緑の時も 枯れた冬も
ひたすら 道を急ぐ あなたよ
そして私は 言い当てることが出来る
はるかな 野の彼方で
またも荷を負い 道を下る あなたよ
ああ 風も共に 鳴いていたのだと
鳥も泣き 花も涙して いたのだと
私は 言い当てることが出来る
これは、前回の記事のコメント欄で 一休さんが花水木さんに贈られた詩です。
花水木さんのご主人は5年前に脳卒中となり、現在も左半身が不自由とのことです。
そして今またお母様も脳梗塞となり、高速バス5時間の実家へ見舞う日々です。