腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



昨日、仕事の帰りに大阪市内の“なんばCITY”のバーゲンをチラリと覗きました。特に欲しい物があったわけではないのですが、何か良いものがあればなぁ、と軽い気持ちだったのです。昨日はポールスミスがバーゲン初日だったようで、夜7時半頃だったのですが、店内は大混雑。ブラブラと目的無しに店内をうろついて一本のコーデュロイ(昔で言うコール天)のパンツに目が行きました。なにしろ縦にデカイ(最近は横にも)ので、最大サイズをチョイスしていざ試着室へ! ...

パッツンパッツンやん!(><)

何も買わずに帰りました。

バーゲンでピッタリサイズの服やパンツを買えたためしがありません。数年ぶりにバーゲンに行ったので、その法則をすっかり忘れていました。もう行かない!


と、ここでグチっていると、新春一発目の修理仕上がり品が店に戻ってきました。

とうとううちの店にも来ましたよ~!
こちら↓


ブレゲ タイプXXトランスアトランティック  守口市在住のI様所有の品。


以前からこのブログでも数回紹介している世界三大時計ブランド“バセロン(ヴァシュロン)”“パテック”そしてこの“ブレゲ”。

ブレゲは創業から今年で232年目と老舗中の老舗ブランド。創業地はフランスのパリ。創業者はアブラアン・ルイ・ブレゲさん


『ブレゲがいなければ時計産業の歴史が200年遅れていた』とも言われるくらい時計業界には欠かせない人物。
精度向上に不可欠なヒゲゼンマイ、ミニッツ・リピーター、スプリットセコンド・クロノグラフ、そしてうちの店名にもなっているトゥールビヨンなど、超が7個くらい付く複雑機構を次々に開発したのがこの人。
機構面だけではなく、デザインや装飾にも大きな足跡を残しています。ブレゲ針と呼ばれる青焼き処理を施した独特のハンド、ブレゲ数字、ギョーシェ装飾の文字盤、コインエッジなどなど。
ブレゲの顧客台帳にはフランス王妃マリー・アントワネットや将軍ナポレオン・ボナパルトの名前が確認できます。

で、上写真のタイプXXトランスアトランティックですが、フランス海軍航空部隊のために1954年に製造された軍用クロノの第4世代に当たります。
こちらがケースサイド↓

リュウズとプッシュボタンの間のギザギザが確認できますか?これがコインエッジ。ブレゲウォッチの際立った特徴の一つです。

いやはや素晴らしい時計。大事にお使いくださいませ。


新春に相応しい時計のご紹介にバーゲンの悔しさが吹き飛んだ腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
なんだかんだ言っても良いものは良い!間違いない!

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