腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



以前勤めていた会社に強烈な時計マニアの上司がいました。Fさん。

私が腕時計に興味を持ち出した頃だったので、よく「今日はどんな時計を着けてるんですか?」と見せてもらってました。

「吉田はどこのブランドの時計が欲しいの?」と聞かれたことがあったので、
「やっぱりロレックスですかねぇ。」と答えたら

「ふん!まだまだ青二才やな。」と、一蹴されたことを今でも覚えています。

そのFさんが持っていた時計の中でも特にインパクトが強かったのが今日ご紹介するブランド


ダニエル・ロート

ダニエル・ロートは創業1989年。ブランドとしてはまだ20年も経ってないのですが、創業者のダニエルさんの名は自社ブランドを立ち上げる以前から時計業界では知らない人はいないほど響き渡っていました。
アブラアン・ルイ・ブレゲを敬愛し、時計職人を志したダニエルさんは、時計学校を卒業後、フランスで兵役を終え、最初にジャガー・ルクルト社で1年修行。次に部品会社を経て、オーデマ・ピゲに入社。ここで彼の技術力が爆発!オーデマの誇る薄型ムーブメントの開発に携わり、その名を一気に高めました。
彼の評判はフランス、パリまで届き、ダニエルさんはブレゲの遺した多くの複雑時計の復刻の仕事に携わりました。
約14年間、数々の超複雑時計(グランド・コンプリケーション)を復活させたダニエルさんが1988年に自らトゥールビヨンを発表。翌年に自身のブランドを設立させます。

ダニエル・ロートの最大の特徴はそのケース形状にあります。
こちら↓
 エプリソカーベックス パピヨン 378万円

“ダブルオーバル”と呼ばれる12時と6時が円形になったケース。もちろん形状だけではなく、ムーブメントも素晴らしいのは言うまでもありません。

こちらもはい、ドン! ↓
 エプリソカーベックス ミニッツリピーター 2400万円

どちらも恐ろしく高額ですが、上司のFさんのダニエル・ロートも800万ほどしたらしいです。 恐ろしい。 

当時、よく会社近くの雀荘でご一緒しましたが、マージャンの腕前は腕時計ほどではなかったように記憶しています。(失礼)
普段使っている財布とは別に“心の財布”(?)と自ら名付けた財布を持ってましたが、Fさんお元気でしょうか?


まだまだ青二才な腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
ロート製薬の目薬なら買えるんですが...

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )