二十三回忌

今でも、ヒゲは、胸の傷がキリキリ痛む時がある。
ドラマ　『　監察医　○子　』　等で、体にメスが入るシーンを見る瞬間です。
ついでに、肋骨もボキボキと折り拡げられるようで、思わず飛び出ている骨を
撫でてしまいます。

お客と　“　バカ話　”　が出来るようになったのは、術後３年ぐらいしてからでしょうか？
「　二枚目者同志だけん、　（同じ病気になるのは）　しょんなかったたい！？　」　とヒゲ。
客　「　だぁれも、思うとらん！　言いもせんたい！　」
イケメン系ヒゲだから、裕次郎と同じ病気になったと主張？？

　　　　　　

ドラマ・シーンそのまま、　『　生還率３％　』　解離性大動脈瘤の手術。
助かる率が３％なんて、そんな恐ろしいトンネルに、貴方は入れますか！！
ヒゲも、訳の解らないまま、トンネルに放り込まれたので御座います。
ヒゲ　　「　やっぱり、二枚目で、大酒飲み（！）で、ヨット好きがイカンだったろうか？　」
お客　　「　マスター、大酒飲みは認むるタイ。　裕次郎もよう飲みよったげな！　」

　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　＝＝　信じられないでしょうが、ヒゲですよ！　＝＝

さて、こんな夜は、ブランデーでも傾けようか、あるいは、ウィスキーあおって　・・・

　　　　おいらは　ブロガー　　Ｂ級なブロガー　　
　　　　　　　　　　　安酒あおって　　　ペンを叩きゃ　　（ジャ、ジャ、チャーン）　　　

　　　　　　　　　　「　エイ！　めんどうだい！　　まとめて　かかってきやがれー　」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　《　酒を呼ぶ男・ヒゲのテーマ　》　より　

天然物 ～ ハマグリ

最近、ＮＨＫの　『　熊本の風　』　『　テツタビ　』　等で、熊本の天然蛤が、
俄かにクローズ・アップされている。
熊本も、やっと規格外品をリリースする事を始めたのだ。

そんな保護漁のルールもない、四半世紀前の話です。
四月に入ると、仕入れの度に、ヒゲがじーっと　“　のぞき込む　”　物があります。
そして、ある瞬間、がばーっと仕入れて帰ります。
一晩砂を抜いて、付き出しに使うのです。
丸々太ったアサリを、酒蒸しにするのですが　・・・　。
一般には、酒だけで仕上げます。
それを、ヒゲは、チョッとイレギュラーに、鰹だしの吸地にたっぷりの酒とアサリを入れて
蒸し上げます。
こうしておくと、時間が経つと　“　干からびる　”　酒だけの仕上げに較べ、
長くふっくら蒸しがキープ出来るのです！
後に、西銀座・田園で、　『　酒仙の会　』　に、この料理を出した時、
　　　　　　「　マスター、このアサリば見て！　殻から身のはみ出しよるバイ！　」　と
喜ばれた事がありました。

付き出しの後、コウセイの専務から声が掛かります。
「　コウイチ、後の魚は何のあるかい？　」　　「　はぁい、今日のボラは良かですよ！　」
「　ウン、そっで良か。　所で、知っとるや？　
　　今はなぁ、韓国からアサリば持って来て、有明会にしば～らく置いとくと、
　　『　国産品　』　で売ってよかっぞ！　」
「　ハァー！　なるほどですね　・・・　？　」

　　　　　　　～　有明海の干潟　～

ボラは骨抜きが少ない　（　二本半しかない　）　から、一人仕事をしているヒゲには有難い魚。
皮引きには、ちょっとコツがいる。　　な～に、いつもより下手に引くのがコツだ。
上手に引くと、　“　青黒っぽい　”　皮が薄っすらと表面を覆い、見た目が悪すぎる。

しばらくして、再び声が。
「　オーイ、今日は、ほんなもん　（国産）　のハマグリはおるかい？
　　　　　　　　　　　　　　　　・・・　そんなら、焼き蛤にしてもらおうか！　」
やがて、ヒゲも席に呼ばれます。　　「　お～い、　コウイチー　」
「　お陰で、久し振りに、蛤のほんな　（　本当の　）　焼き方に会うたバイ。　」
「　あれって、アタリ前の焼き方じゃなかっですか？　」
「　そっがな、今は居酒屋でん料理屋でん、な～んも知らんで、チョーッガイも切らんで焼くけん、
　　蛤の　“　パカーッ　”　て開いて、貝汁の無くなってしもうとるたい。　」
ヒゲは、思わず　　「　ワァ、ハッ、ハッ　」
「　おどん達は、あん汁が美味かったい。　」
「　まぁ、今日のごつ焼くとは、少しは大変ですけど、そるが仕事だけんですね！　」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
さて、熊本も、やっと蛤保護ルールを作ったのだから、
今度は、それを上手に使う啓蒙活動が大事になりますね。
ここが、熊本の一番苦手なところ。
大変でしょうが、新幹線が走るまでには、努力しましょうね？！