「 ねェ、これって、こんなモンなの? 」 カカァが、当たり (味付けの) 加減を尋ねる。
「 洋食では、ズバリ塩加減する所もあるけど、ホテル系では、やや甘く仕上げる所が多いね。
ここもそうだけど ・・・ 」
店内は、新人ボーイさんの研修も兼ねてて、ちょっとトラブル気味。
こういう店でも、若い人の人材不足なのかなァ?
失業率はあんなに高いのに、サービス業には、人手が来ないなんて!
牛ホホ肉に添えてあった “ 白髪ネギ ” を見て、カカァが又尋ねる。
ヒゲ 「 熊本では、シラガはどこでも、こんな風にするモンね。
因みに、京都では、まるで違うやり方だよ。 」
「 そうよネェ! 」
と、その時でした ・・・ (ヒゲから見て) 遠いカウンターバーから、
心地よい 「 カシャ、カシャ、カシャ 」 が聞えました。
若い女性が、必死にシェーカーを振っている!!
ヒゲは、直ぐに席を立った。 まだ、料理は残ってるというのに ・・・ 。
先客の紳士に、 「 となり失礼します。 」 とヒゲ。
バーに付き物の足乗せがないので、椅子に足を掛ける事に。
いつもの “ ボンド・マテ二ー ” を注文。 ウォッカでシェークするヤツだ。
すると、女性バーテンダーが尋ねる 「 オリーブは? 」 「 要らない 」
「 ピールは? 」 「 御願いします! 」
こうして、反撃(?)を受けながらも、第二ステージが始まる。
隣の客にヒゲ 「 それは、ラムのストレートですか? すごいですね。 」
お客 「 ハイ、これだと酒飲んでるぞという気分になるので! 」
「 なるほど、口にパーッとなって ・・・ パイレーツ気分ですね。 」 (笑・笑)
カカァも残りのワインとチーズを持って参加する。
ヒゲ 「 以前ここに来た時、若い男性バーテンだった。
それが、やる気のない様に作るから、ほんと不味かった。
貴女が懸命に作っているのを見て、つい飲んでみたくなって、席を移動しました。 」
カクテルは嗜好品と同時に、 “ ショー ” でもあるから、手先だけで汗もかかず、
チャカチャカ造った様なのは、不思議に不味く感じるのだ。
ヒ ゲ 「 あれは、シャトルーズ・イエローですか? 」
女性B・銀永さん 「 ハイ、そうです。 」 「 じゃ、カァちゃんに、それを使って 」
やがて、 “ アラスカ ” が出来上がる。
話が昔の事になって ・・・
ヒゲ 「 戦後まもなし、熊本ではレアな、こんなリキュールが手に入らなかった頃 ・・・
バーテン達は、東京や進駐軍から、やっと1本手に入れて、懐に入れ夜間急行で戻って来た。
一杯だけ試しに作り、皆でその一杯を回わして、味見していたと聞いている。
でも何か、そんな貧しい頃のカクテルの方が美味しかった様な気がする ・・・ 。 」
隣の鹿児島の郵便の客も、興味深そうに話に付き合ってくれた。

《 昭和30年代初期の “ スナックバー 田園 = 現在の田園ビルの場所 ” とヒゲの父 》
「 洋食では、ズバリ塩加減する所もあるけど、ホテル系では、やや甘く仕上げる所が多いね。
ここもそうだけど ・・・ 」
店内は、新人ボーイさんの研修も兼ねてて、ちょっとトラブル気味。

こういう店でも、若い人の人材不足なのかなァ?
失業率はあんなに高いのに、サービス業には、人手が来ないなんて!
牛ホホ肉に添えてあった “ 白髪ネギ ” を見て、カカァが又尋ねる。
ヒゲ 「 熊本では、シラガはどこでも、こんな風にするモンね。
因みに、京都では、まるで違うやり方だよ。 」
「 そうよネェ! 」
と、その時でした ・・・ (ヒゲから見て) 遠いカウンターバーから、
心地よい 「 カシャ、カシャ、カシャ 」 が聞えました。
若い女性が、必死にシェーカーを振っている!!
ヒゲは、直ぐに席を立った。 まだ、料理は残ってるというのに ・・・ 。

バーに付き物の足乗せがないので、椅子に足を掛ける事に。
いつもの “ ボンド・マテ二ー ” を注文。 ウォッカでシェークするヤツだ。
すると、女性バーテンダーが尋ねる 「 オリーブは? 」 「 要らない 」
「 ピールは? 」 「 御願いします! 」
こうして、反撃(?)を受けながらも、第二ステージが始まる。
隣の客にヒゲ 「 それは、ラムのストレートですか? すごいですね。 」
お客 「 ハイ、これだと酒飲んでるぞという気分になるので! 」
「 なるほど、口にパーッとなって ・・・ パイレーツ気分ですね。 」 (笑・笑)
カカァも残りのワインとチーズを持って参加する。
ヒゲ 「 以前ここに来た時、若い男性バーテンだった。
それが、やる気のない様に作るから、ほんと不味かった。
貴女が懸命に作っているのを見て、つい飲んでみたくなって、席を移動しました。 」
カクテルは嗜好品と同時に、 “ ショー ” でもあるから、手先だけで汗もかかず、
チャカチャカ造った様なのは、不思議に不味く感じるのだ。
ヒ ゲ 「 あれは、シャトルーズ・イエローですか? 」
女性B・銀永さん 「 ハイ、そうです。 」 「 じゃ、カァちゃんに、それを使って 」
やがて、 “ アラスカ ” が出来上がる。

話が昔の事になって ・・・
ヒゲ 「 戦後まもなし、熊本ではレアな、こんなリキュールが手に入らなかった頃 ・・・
バーテン達は、東京や進駐軍から、やっと1本手に入れて、懐に入れ夜間急行で戻って来た。
一杯だけ試しに作り、皆でその一杯を回わして、味見していたと聞いている。
でも何か、そんな貧しい頃のカクテルの方が美味しかった様な気がする ・・・ 。 」
隣の鹿児島の郵便の客も、興味深そうに話に付き合ってくれた。


《 昭和30年代初期の “ スナックバー 田園 = 現在の田園ビルの場所 ” とヒゲの父 》