田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

将棋人気~映画『王将』の功罪

2015-06-06 16:06:51 | ヒゲの盤上の世界
もう、今の若い人達にとっては、「 えっ、そんなのあったんですか? 」 なのでしょうネ。
昔、映画 『 王将 』 と云うのが在りました。
坂田三吉と云う奇才を主人公にした、珍しい将棋映画でした。
将棋映画と言うても、マニアックな将棋局面的なシーンは多くありません。
古女房の小春との夫婦愛を中心にした映画でした。
当時の時代背景でしょうか、長屋暮らしの貧しい暮らしぶりが目を引きます。
    

その頃、東京と関西の将棋界は、けっして仲のイイものではありませんでした。
東西対決を、時の新聞社がけしかけ、関ヶ原以来の怨念を晴らせと煽り立てるのです。
この不仲が、映画のアクセント。
打倒! 東京の関根ハン(名人)を目標に精進する坂田三吉。
そして、明日はいよいよ上京して決着をつけると云う晩です ・・・
   あーすは  トーキョーに出て行くかーらにゃあ~
               ナーニが何でも   勝たねばナラぬ  
 
浪花節が流れ、クライマックス。

ちなみに、関西に居たヒゲ達。
東京でのトーナメント前夜には、自然とこのメドレーが頭の中に流れてきてました。
昭和の香りプンプンですネ。 (笑)
今どきの関西のプレーヤー、昔こんな歌謡曲が流行っていたなんて、誰も知らないでしょう?
こんな具合に、当時の風俗・人情・夫婦愛を丁寧に描いた名画でした。
なにしろ、イメージが暗い。
とても、坂田三吉に憧れて、将棋指しになったると云う、ヒーロー劇ではありません。
第一、三吉自身の品が悪過ぎですワ。

さて、時は流れて、昭和40年代。
NHK杯テレビ・トーナメントも人気になり、解説の将棋指しの方もずいぶん垢抜けてはきました。
それでも、背広を着ての解説では、まあ、博打打ちがネクタイ締めての印象が、
どうしてもぬぐえ無いモノがありました。(失礼!)

イメージが変わったのは、谷川名人や島竜王の誕生ぐらいからでしょうか。
学者の雰囲気が漂い、ネクタイが似合う棋士の登場となったのです。
映画 『 王将 』 の時代とは、隔世の感がありますネ。

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コメント (1)
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