田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

天ぷらへのいざない~2

2017-07-04 17:11:20 | よもやま話・料理編
客S氏の言葉に、ヒゲは驚きました。
  「 天ぷらは、脱水調理 」
実は、当時の多くの料理人が、この基本を識らないでいたからです。
ソレを、客の方がちゃんと識っていた!

料理の多くは、基本的に脱水作業です。
中でも、天ぷらは特別な脱水料理でしょう。
食材の水分はどれ位か? 
このネタから、どれ位水分を抜いたら良いか?
結構、厄介な仕事です。感に頼るしかありません。
           
水を抜くと云うと、以前のブログ“キスの天ぷらの話”が浮かび上がります。
ヒゲは、午前中に桜木のマルセイ水産(現・魚勢)で、小キス入りの“色物”を求めます。
昼過ぎには、出勤した板場達がソレを処理して天ぷら種に卸し、
クッキング・ペーパーに並べて準備します。
この最後の工程で、ある程度の水分が抜けるのです。

問題の寿司屋での工程を、思い出してみましょう。
ショーケースには、まるっぽ(姿)のキスが。
ソレを天ぷらにと注文されたの、三枚卸しにします。
なにしろ、刺し身用の瑞々しいキスですから、卸した上身は水水しいのです。
包丁も、キスの水分でじっとりしてる程です。
目の前に居る客の注文だから、ペーパーで包んで水っぽさを除く余裕はありません。
そもそもが、キスは水っぽい魚です。
だから、京都辺りでは一夜干しが喜ばれる。
水分が抜けるからです。
             

その水水(!)しいキスを、天ぷらに揚げる工程に移ります。
気をつけるベキは、卸したてと云う事ですが ・・・ 料理人はピンときました。
「 そうだ、活きた車エビは、さっと揚げて芯はレアにするナァ。
    この刺し身用のキスも、揚げ過ぎないように注意しよう! 」
                 
こうして、ヒゲ達の前に出された天ぷら。
水分が噴き出し、生臭いのです。
しっかり水分を抜くべきところを、早く揚げ過ぎて、脱水作業が不完全だった為です。
この水分の含有量。
例えば、カボチャをイメージするとわかり易いかも。
畑から採れたてのカボチャは、水っぽくて今イチ。
しばらく保存して置いてカボチャは、ある程度水分が抜けて、ホクホク感が。
         

                          ~~~ つづく ~~~
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コメント (4)
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