田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

骨のないハモ

2017-07-25 16:37:53 | よもやま話・料理編
ヒゲが、京都のS閣に居た時の話しです。
モハメッド・アリとA猪木の、世紀の凡戦があった頃だったでしょうか。
其処の調理場では、静かな作業が続けられています。
ヒゲと親方A氏は、オクラの種を一個一個(!)取り除いているのです。
大事だけど地味で退屈な仕事の時は、おしゃべりが弾みます。

A親方 「 おう、片山。俺はナ、今、ハモの骨抜きの研究をしてるんや。 」
ヒゲ 「 骨切りじゃあなくて、骨抜きですか? 大変でしょう。 」
A親方 「 それがナ、そんなでもないんヤ。 」
そう言って、親方はハモを取り出した。
そして、骨抜きで二股の骨を抜いた。
「 あゝ、出来ますね。 しかし、全部抜くのは大変でしょう? 」
「 そうや! それが出来れば、ハモのお造りも出来る訳や。 」
抜き方の参照には、写真の本をお求め下さい。
             

 
         

今日は、その頃に提供していたハモの献立を紹介します。
  《 ハモの焼き霜一枚落とし 》
三枚卸しの上身を、焼き網に皮を下に用意します。
ガス直火で皮目だけ炙り、氷水に落とします。
引き上げて、水気をふき取ります。
これを、薄く一枚ずつ切り落とします。
もちろんここでは、皮目一枚残して等と云う離れ技は必要ありません。
この切り離した身を、ザルを使って、低温霜降りします。
半透明な身が自慢!! その為に、先に皮を焼いていたのです。
充分水気を取ったら、花穂紫蘇のほぐしたのをまぶします。
               
   
熊本で最近頂く、りっぱなサイズのハモの落とし。
ありがたいのだが、近頃のヒゲには、持て余しぎみ。
大きな鱧の身を、前歯で半分に噛み切る所作が、シャレ者のヒゲには我慢出来ない!? (笑)
そんな時、妙に懐かしくなるのが、この献立です。
この料理を、薩摩切子の珍味入れなんかに、小高く杉に盛って出されたら、
感動で涙がちょちょぎれるでしょう。
何が良いってぇー?      
切り離しのハモだから、箸で一枚ずつ取ってチビチビ頂ける。                             
いやしい酒飲みには、こんなありがたい事はない!
      
                ≪ 本に掲載されている献立より ≫

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コメント (2)
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