田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

救世主〜YK35

2021-06-10 19:06:03 | 田園ものがたり
ヒゲが日本酒の勉強をしていた70年代後半、不思議な “ 専門用語 ” に遭遇した。
『 大吟醸酒 』 ・・・ なんだろう!?
大そうに吟味して造った日本酒と云う意味なのか ・・・ ?
なにしろ、当時はナショナル・ブランド全盛期です。
ヒゲには、どんな酒なのか見当もつかない。
段々調べていく内に、色々勉強になることが分かって行きます。

その中で、『香露』と云う熊本の酒が、吟醸酒部門で “ 金賞 ” を取ったと知ります。
まぁ何はともあれ、N野酒店さんに頼んで手に入れることに。
飲んでみないことには始まりませんから! (笑)
すると、驚きましたね~!! 「 コレが日本酒なのか? 」
日本酒なのに、香りがします。
当時は “ 馥郁たる香り ” と、いささか哲学めいた表現をしていました。
                
ヒゲは、この酒の化粧箱にも気を留めた。
金色の色彩豊かな箱を、ポイと捨てるには忍びない。
せっかくだからと、入り口のショーケースの端に飾ったのです。
何気に、寄せ鍋や天ぷらの蝋細工の横に置いただけなのに ・・・ 。
次々に、香露の大吟醸を尋ねて客が来るのです。
しかも、どうやら、県外の客が多い様だ。
ふーん? 県外ではこんなに、この大吟醸は知られているのか?
           
ヒゲは、感心しきりでした。
たった二つの銘柄(越乃寒梅と香露大吟醸)を、サンプルケースに置いただけで、
この反応ぶりです。
これは、ひょっとして(!)繁盛のネタになりはしないだろうか?
撒き餌としては、十分に効果が出ているみたいな。
当時の熊本の同業他店では、酒と云えば灘・伏見の大メーカー酒しか扱っていない。
この2銘柄だけでなく、他の地酒の勉強も進めてみよう。
今の言葉で云う、ビジネス・チャンスの芽が見えた。
        
しかし、この酒で稼ぐのは、そう簡単ではありませんでした。
供給が追いつかないのです。
何しろ、幻の酒と云われているもの。
たった一本を手に入れるのさえ大仕事。
だから、上手に酒をやり配る知恵が要る。
その延長のルールに 「 お一人様一杯だけ 」 と云うのを徹底させるのさえ、
熊本市民にはハードルがありました。
                   
                     つづく    

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