さて、この長編詰め物を解くプロセスで困ったことがひとつ。
ブラインドで解く途中、持ち駒の帰趨(きすう)がボヤけるのです。
ヒゲは、右指を曲げて持ち駒の数、左指を曲げて玉側の駒の数を確認する。
しかし、この方法は、現在のヒゲには無理がある。
病気の後遺症で、曲がらない指が有るからです。 (苦笑)
ヒゲの長男が小学生の頃の話。
熊本でも、映画≪スターウォーズ≫が封切りされた。
スクリーンでは、ジェダイの騎士が目隠しでライト・セイバーの練習をしていた。
そんな或る日の日曜日、長男が近づき訊ねた。
「 ねぇ、父ちゃん! とうちゃんは将棋知っている? 」
「 うーん、知らんでもないヨ! 」
「 じゃあ、このファミコンの奴をやっつけてよ! 」
こうして、息子がまるで歯が立たない内藤九段のファミコン・ソフトとの
対局に駆り出されたヒゲ。
息子に、タオルを持ってきて、ヒゲを目隠しする様に言った。
不思議がる息子に、「 TV画面の数字だけを伝えて 」 と付け加えた。
いぶかりながらも、長男はソフトの指し手を伝える。
そして、ヒゲ父ちゃん指示の指し手を、コントローラで操作した。
長男にとっては最凶のソフトが、瞬く間に打ちのめされて投了する。
息子には、信じられない光景です。
「 嘘でしょう? 父~ちゃん マ、マ、まさかよね! 」
自分の父親が、まるでジェダイの騎士(棋士?)みたいに見えた一瞬です。
その日から、ヒゲへの呼称が 「 とおちゃん、トオちゃん 」から、
「 お父さん、お父様 」 に昇格した。 (笑)
若い時、隠し将棋で苦労した甲斐が、報われた瞬間でした。
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