田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

選TAXI~ヒゲ版

2015-01-04 17:05:27 | 田園ものがたり
田園の酒を語る前に、酒にまで行き着いた或るスポックメーキングな出来事について
話さなければいけません。

80年代初め、栄通り田園は、相変わらず暇でした。
それでも、馬刺しだけは、何とか極上品を揃える事が出来るようになっていました。
そんな或る日、京都からのお客さんがおいでになりました。
カァちゃんの京都での修業先の女将さんです。
注文は、馬刺し。
ヒゲは勿論、鼻高々で提供しました。
やがて、カァちゃんが呼ばれます。
「 あけみちゃん! コレなんえ? 」 と言いながら指さしたのが、馬刺し用の醤油でした。
 ( あけみちゃんとは、ヒゲの奥さん・ここで云うカァちゃんの事です。 )
「 ハイ、この店で使っている刺し身用の醤油ですけど、それが、何か? 」
「 こんな旨い馬刺しに、こんな美味しい醤油け? 」
この会話は、次の日にヒゲに告げられました。
ヒゲの 『 目から、ウロコがはげ落ちた 』 瞬間でした。

当時、熊本では何処の店でも使っていた、有名な刺し身用の醤油。
冷凍赤身マグロでも、甘露に美味しく食べさせる優れものでした。
そうか! そんなに旨い醤油なら、極上の馬刺しは必要無い訳だ。
むしろ、質を味わうには、邪魔になる訳だ。
醤油は、もっとあっさりしている方が、食材の味を引き立てる。
甘味の強いイチゴに、わざわざ練乳を掛けて食べる様なモノか。
食材の持ち味を妨げている。
この瞬間、ヒゲは、先代から継いだまま、疑いもせず使い続けている事に気づかされたのです。
その日から、全ての調味料等が、ヒゲの俎上に揚げられました。
まさに田園にとって、別の選択肢を選んだ日になったのです。
先ずは、眼前の醤油。
そして、塩・味醂、更にその先に酒・ウィスキーがありました。
ヒゲひとりで仕切っているのに、調べたりする暇が有るのか?
   ( カァちゃんは、まだ子育て中だったのです。 )
なーに、店は暇で客数は片手ぐらい、多くて両手あれば充分足りると云う様。 (笑)
資料さえ在れば、勉強する時間は幾らでも在る。
皮肉なモノです。
こうして店は、思いもかけず大きく舵をきる機会を得たのでした。
この時得た知識はめちゃめちゃ大きく、当時の同業他社にとんでもなく
水を開けるチャンスに成ったのです。
      

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