田園酔狂曲

二人三脚の想い出と共に!!

燗付けの酒文化

2015-02-13 13:19:39 | よもやま話・酒編
先日のブログの写真 ~~~ 恵比寿神社での花見シーン。
真ん中に置いてある、ヘンな宴会道具? 

                    
宴会道具と云うのは、固形燃料を使用する小鍋セットの事です。
この日は、飛騨コンロを使っています。
多勢の料理を用意するのに、温かい物が好きな時に食べられる一品として、とても重宝します。
特に、鍋みたいなのが欲しい冬場に使います。

さて花見の時期には、気候が急変したりして肌寒さを感じますよね。
こういう時、ビールを飲むのもブレーキがかかり、体を温める燗付けのお酒が欲しくなります。
しかし、急に熱い燗酒が欲しくなっても、桜の木の下ではどうにもならないようです。
  ( ワンカップの燗酒機能が付いてるやつもあるようですが。 )
どっこい、そんな事もあろうかと、ヒゲが用意したのが、冒頭の写真の道具です。
店では、鍋用の出し汁を張って、客前にセットしますが、燗付けの時は水をたっぷり張ります。
ナベ敷きの上にコンロ台を置き、固形燃料を一個。
火を付けて水を入れた片手鍋を置いて準備完了。
難しいのは、座った姿勢で、一升瓶からお銚子に酒を移す時です。
慣れない作業で、お銚子から酒がこぼれるから注意しましょう。 (汗)
燃料は、燃焼時間が色々あります。
2~30分物が三個ほどあれば充分でしょう。
お銚子4・5本をお忘れなく。

燗酒と云えば、もう今では幻となったシーンを(笑)ご紹介します。
ヒゲより上の世代の方には、なじみの都市伝説になってます。
飲んだお猪口をお盆に置くと、お盆を逆さまにしてもお猪口が落ちてこないと云う話ですが。

70年代、日本酒と云えば、殆んどが燗つけ酒の時代です。
ヒゲ達(大酒飲み)を悩ます、アル現象が頻発しておりました。
大酒を飲む故に、必然的に長時間になります。
すると、不思議な事がおきたのです。
お銚子がテーブルから離れません。
お盆の上のお猪口に至っては、盆を逆さにしても落ちてきません。
これが、都市伝説の始まりか?
TVなら、怪奇現象コーナーモノです。
まるで、もうこれ以上酒を飲むなと云わんばかりに。 (笑)
良く見ると、お銚子もお猪口も、底の方がセメダインを付けたみたいに粘っています。
オエッー?
これぞ、当時の日本酒、 『 サンゾウシュ 』 でした。
戦時中でも無いのに、日本人のほとんどが、この三倍醸造酒を飲むしかなかった頃。
料理屋・居酒屋のテーブル上で繰り広げられた、燗つけ酒の末路の光景が、上記の通りでした。

意図的に、人工甘味料・糖分が加えられてるお酒です。
お猪口を伝わって、酒の飲みこぼしが底の方へ。
ある程度の時間を掛けると、テーブルに接した所の、この糖分が乾いて粘ってきます。
気持ちワルー。
気のせいか、口の中もベタベタしてきました。

そして、80年後半にして、やっとベタベタしない燗つけ酒が現れた。
「 マスター、こらなんね?  」 とニコニコしながら、客がテーブル上をサラサラとさすって見せます。
お銚子を置いて居たテーブルが、ペタペタしないからです。
客が初めて出会う、田園の本醸造酒でした。

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