ブラック料理屋の茶碗蒸し

我らが敬愛するアベ総統さまのおかげで、働き方大改革法が出来ました。
これで長時間労働で過労死するような社会問題は、解決と言う訳です。
長く働くから死人が出る。けしからん！
だから対症法は、短く働くようにすればよいんだ、と云う事らしい。
なんて、短絡的でありがたいお話でしょう。

もし、昔の田園が、現在の熊本市に“タイムスリップ”したら　～～～
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
調理場では、板場が茶碗蒸しの材料の検品をしています。
　　　「　マスター！　たいへんです。　茶碗蒸し用の銀杏が入っていません。　」
ヒゲ　「　そけ、ちゃんと在っどが！　（其所に、ちゃんと在るハズだ）　」
　　　「　えッ？ 　　あの白っぽい、ピスタチオの殻みたいのですか？　」
ヒゲ　「　そうや。　あるが本当の銀杏の実たい。　」
　　　　　　　　　　　　
　　　「　そうバッテン、マスター！　あの殻は、なんか臭いますヨ。　」
ヒゲ　「　そぅや、銀杏は鮮度が良いほどクサかったい。　（笑）　」
　　　「　でも、あれには殻が付いてますよ。　どうしましょう？　」
ヒゲ　「　割るんや。　
　　　　　昔は、砥石の上で、出刃のミネとか金づちで、ポンと叩いて割れ目いれてた。
　　　　　今は、ペンチや銀杏割器やらで簡単やん。　」
　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≪　現在も、自宅で活躍中　≫　

　　　　　　　　　　「　パチン？　」　　　　　　　
　　　「　痛ててて～　指まで叩いてしまうし、実も潰れて、わやヤ！　」
　　　　　　　　　　　　　
ヒゲ　「　こーお、出刃の重さを活かして、ポンと弾く様にするんや。
　　　　　そこまでしておいて、昼飯の後の時間なんかに、みんなで殻をむくんや。　」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　「　でも、そんなことしてたら、大切なパチンコ時間がなくなりますよ。　」
ヒゲ　「　アホかぁー！　仕込みが大事やぁ～　
　　　　　ちゃんと、その日の必要な数だけの銀杏を茹でるんやで。
　　　　　こんな風に穴あきお玉でゴロゴロさせて、塩ゆですると渋皮が取れ、
　　　　　ヒスイの実が出てくるやろ。　これが本当の銀杏や。　」
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　「　マスター、そんなモン、今は便利な缶詰めがありますヨ。
　　　　　缶の蓋を開けるだけで、水煮の黄色い銀杏が出てきまっせ。　」
ヒゲ　「　内はなあ～、自分の手を汚した物しか、使わないのさ。　」
　　　「　そんなこと言ってたら、我々は一日中働いていなくちゃいけなくなりまっせ。　　
　　　　　つまり、安倍ソーリの働け法に完全に抵触するパワハラです。
　　　　　アッ、マスター！　ヤバい！！　向こうから役人が　・・・　」

労基役人　「　あんたの店は、全く労働基準法を守っていく気配が感じられない。
　　　　　　　まさに、過労死助長の労働時間だ。
　　　　　　　板場に、パチンコに行く余裕も持たせないのか？
　　　　　　　すんばらしいアベ働け法に、全く合致しないじゃあないか、けしからん！
　　　　　　　君ん処みたいなブラック料理店は、昭和の時代に送り返すことに決定した。　」

　　　　　　　　　
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