60年代初めに手に入れたレコード 〜 ドボルザークの『新世界より』
お陰で、小6ではドベコスだった音楽の成績が、中1にはフルマークに!
しかも、中1の後半には、オーケストラのスコアにまで手を出したヒゲ。
この時の記憶は、今にまで至ります。
ラジオで“新世界のシンフォニー”が流れると、自動的(?)に総譜が浮かぶ。これが、何気に嬉しいのです。
音の記憶と五線紙が立体的にリンクして、頭の中でグルグルグル?
ヒゲが高校生になった或る日、同級生がヒゲの部屋に遊びにきました。
ひとしきりレコードを見ていたブラスバンド部のEちゃんが叫んだ!
「 じゅんな、ナーシ こんレコードば持っとっとや~!?
こら、とつけむにゃあ名盤ばい。
ひと月ばっかし、オルに貸してくれんヤ? 」
この時初めて、ヒゲは名盤という位のエリアがあることを学んだのでした。
時は経った90年代の或る日の田園では、《酒仙の会》が催されます。
今回のテーマは 【 名盤を聴きながら、銘酒を唎く! 】
なんて格調の高い響きでしょう!
普段の酔いどれ会員には、まるで不釣り合いなテーマ? (笑)
二階の部屋 ❛吉兆❜ から ❛錦❜ までを通して、20数名の宴席。
〈 別の宴会設定時の写真 〉
錦の上座に、ヒゲ家から持参のレコードプレーヤーとスピーカーを設置した。
乾杯の音頭の後、ヒゲは針をそーっと落とします。
曲目は、《Gセル》率いる《クリーブランド管弦楽団》の、
《 ドボルザークの新世界より 》&《 シューベルトの未完成交響曲 》
偶然の事でしたが、高校時代の担任で漢文のN 先生も出席なさっており、
昔話に花を咲かせながら盃を交える。 🍶🌸
「 アタ達のクラスが入った教室は、今なら問題になったバイ。
あのボロ教室で、よう辛抱したネー 」 と先生。
校門入って直ぐ右の、柔道練習場跡の教室で、夏は蒸し風呂の様に暑く、
冬は隙間風が吹きすさぶ、修行寺みたいな環境だったのだ。
それから又々時を経る内、子供達は成長して我が家から巣立って行く。
ヒゲは病に倒れ、広い家を持て余すようになった。
そこで、マンション生活に変えることになったヒゲ夫婦と猫トン。
便利ながらも狭い空間では、もうレコードを聴く機器は置けません。
ピアノもエレクトーンも書籍類もレアなレコード盤も、処分することに。
但し、一枚だけは命乞いして、田園カウンターの酒専用冷蔵庫の上に掲げて、時を待つ事にしました。
そうして、その日は、突然やって来ました。
Eちゃんが、カウンターに客として来たのです。
「 待っとったよ~!! お土産用意して ・・・ 」
綺麗にコンポされた、GセルのレコードはE君に渡されたのでした。
終の住処で、時々、ドボルザークは奏でられていることだろうか。
まるで、嫁がせた娘を案ずるようなヒゲで御座います。(笑)
↑ 参加中です。クリックしてもらえたら嬉しいです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます