突然、彼の背中を誰かが押してきた。後ろを振り向くと、中年の男性がにやついている。
”何だ、このおじさん”と、怒りの気持ちが湧いてきたが、どうも様子がおかしい。
”下を見なさい”と、目配せをしている。
彼が視線を落とすと、膝を少し曲げた牧子が居た。 . . . 本文を読む
改札を出ると、わたしを待っていたかのごとくに、正面に[黒崎]という食堂がありました。
[出雲そば]という文字が、わたしを呼んでいます。
「よう頑張った、頑張ったのお。おいで、おいで。熱いそばでも食べんさい」
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