昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

にあんちゃん ~大晦日のことだ~ (三十)

2016-02-26 08:54:19 | 小説
 その夜久方ぶりに自宅に戻ったほのかを待っていたのは、腫れ物にでも触るが如きの孝男だった。 「お母さんは?」 「母さんは、じいちゃんのところだ。遅くならないうちに帰ってくるさ。 それよりどうだ、お父さんの銀行に入らないか。テラーの一人が産休で席が空くんだが」 . . . 本文を読む

にあんちゃん ~大晦日のことだ~ (二十八)

2016-02-24 09:41:03 | 小説
「贖罪の気持ちがあるのじゃない。キチンと見送れなかったことが、おばあさんに申し訳ないという思いが、心の中に残っているんじゃないの。だから、どんなことにも“逃げちゃだめ!”と思っているでしょ。入居者さまからの要望には、すべて応えなくちゃという気持ちが強すぎるのよ」 . . . 本文を読む

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