昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

歴史異聞 第一章 『 我が名は、ムサシなり!』 (十)巌流島の決闘

2020-06-29 08:00:48 | 物語り
 小谷新左衛門の言葉が、小次郎に朱美を思い起こさせた。 昨夜のことだ。 初めて朱美が小次郎のために涙した。 「あのムサシという男、鬼神とのうわさが。 いかな小次郎さまにてもかなわぬと、巷間ではささやかれておりまする」  頬を伝う涙を拭こうともせずに、朱美はひたすら小次郎にすがった。 「ムサシという男、情け容赦のなき者とか。 試合った相手は、ことごとくにこの世を去られていると聞き及びました。 おね . . . 本文を読む

歴史異聞  第一章 『 我が名は、ムサシなり!』(十)巌流島の決闘

2020-06-27 08:00:23 | 物語り
そして、舟島にて。 小倉の地からはさ程に離れていない小島だが、隣接している岩礁は難所として恐れられており、漁師ですら立ち寄らない。 「見世物にしてはならぬ」という藩主の命により、見物人を立ち入らせぬためとして、この島が決められた。 . . . 本文を読む

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