お城から出まして、大広場に戻ってきました。
ごめんなさい、その前に。
この姫路城は、大河ドラマの「軍師官兵衛」の舞台の一つになったわけですよね。
そこで、黒田官兵衛ゆかりの物を探しました。
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シゲ子は、その日の内に長男に問い質した。シゲ子のたしなめるような物言いに萎縮してしまった長男は、口をつぐんでしまった。幼いときから、人に甘えるということのできない長男で、特に祖母であるシゲ子に対しては身構えてしまう。シゲ子の長男に対するぎこちなさが、そうさせてしまっていた。 . . . 本文を読む
程なく孝道と連れだって帰ったシゲ子、ほのかの為にと用意していたふかし芋が減っている。留守をした間に寄ったのかと時計を見やった。
「あらあ、お爺さん。六時半ですよ」
驚いたような声を挙げるシゲ子に、孝道はどう受け止めて良いか分からなかった。それが「もう」なのか「まだ」なのか、孝道には分からない。 . . . 本文を読む
そして今、にこやかに微笑むシゲ子が思い出される。学校帰りにいつも立ち寄っては、祖母手作りのおやつを食した。時に食べ過ぎて、夕食が進まぬ事もあった。母の道子に「おやつはほどほどに」と言われているのだが、ついつい食べ過ぎてしまうほのかだった。 . . . 本文を読む
カズオ・イシグロさん著作の「忘れられた巨人」を読んでいます。
「わたしを離さないで」から入り、「日の名残りに」を読み終えて、現代作家において唯一といっていいファンとなりました。
そして今、「忘れられた巨人」を読んでいます。
一気に読み終えるということができずに、ちびりちびりとなめるように読んでいます。
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翌日は朝から雨がしとしと降っていた。大勢の弔問客の訪れる中、ほのかは母親の背にぴったりとくっついて、隠れるように座っていた。どんなに「席に戻りなさい」と言っても聞かなかった。僧侶の読経が続く中、孝男関係の弔問客が次々に焼香を続けていく。 . . . 本文を読む
ほのかの泣き声が大きく家中に響いた。ほのかはチラリと布団の中の祖母を見るだけで、後ずさりしてしまう。道子が
「あなたの大好きなお婆ちゃんよ。お別れを言いましょうね。待ってるのよ、お婆ちゃんは」
と諭すのだが、いやいやと首を振る。 . . . 本文を読む
とにかく、観光客が多い。
階段前で待たされること、しばしば。
天守最上階が詰まっているために、降りる客を優先させる為に登り客をストップさせている模様。
確かにこれでは…いや、待て待て。
こうも待たされるのならば、展示物なり部屋の説明書きを読む時間もあlりなのでは? . . . 本文を読む
通夜の席でのことだ。
安らかな表情で横たわるシゲ子の枕元で、憔悴しきった孝道が座っている。その横に孝男が陣取り
「西本さんだよ、福井さんだよ…」
と耳元で告げている。
「うんうん」
と頷きながらも視線はシゲ子に注がれたままだ。 . . . 本文を読む
城内井戸
井郭櫓。
ちの門から備前門に通ずる天守の東側に搦め手口を擁護するように置かれた。
この櫓の内部は東、西、北の三室があり、西室の中央部に井戸を備え、井枠を囲んで流しの設備をつくり、井戸の深さは16.0m、水深1.0mで、つるべを釣っている。
―― ウィキペディアより
そこら中に、火縄銃の窓がありました。
火縄銃の窓
何度目 . . . 本文を読む
シゲ子が夕食時に倒れたと連絡が入った時、真っ先に駆けつけたのはほのかだった。床の中で苦しげな表情を見せるシゲ子に近付いた時、弱々しい声で「ほのかちゃん…」 と呼びかけられたが、思いも掛けぬ反応を見せてその場に立ちすくんだ。 . . . 本文を読む
いよいよお城の中へと進みますよ。
まず小さな門です。
いの門
門をくぐります
それにしても、狭いです。なんででしょうねえ、くくく。
答えは、後ほど。分かった、ですって。
鋭い。でも、他の人には内緒、ということで。
姥が石(うばがいし)
羽柴秀吉が姫山に3層の天守を築いていたとき、城の石垣として使う石集めに苦労していた。
城下で焼き餅を売っていた貧しい老婆がこれを知ると、石臼を秀吉に . . . 本文を読む
孝男の初恋は、相手の父親の転勤で告白すらできない片思いに終わった。
高校の卒業を待たずに、転校してしまった。
成人式後の同窓会において、酒の回った女性陣から声をかけられた。
「鈴木ほのかさん、覚えてる? あなたのことが気になってたみたいよ」 . . . 本文を読む