「『ミラカール』は髪を本体に挟むだけで、自動で髪が巻ける世界初のオートカールチャンバー技術を採用。 3段階温度調節と3段階時設定、3種の巻き方指定の組み合わせにより、ゆるふわカールからしっかりカールまで様々なスタイルが可能です」、PR by conecc
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「違うの、違うのよ。そう、人いきれしちゃったの。
そうなの、どっと人が出たでしょ? だからなの」
「あぁ、そうですか。なら、宜しいのですけど。
どうしましょうか、やはりご自宅に直行されますか」 . . . 本文を読む
(六)
「あたしの前では、ずっとそんな竹田でいなさい。会社で見る、むっつりはだめよ」
「はい。業務命令として、しっかりと承りました」
「よろしい。社長婦人としての、初の業務命令です」
荷物を置いて最敬礼する竹田に対し、小夜子もまた敬礼で返した。
そこに、どっと改札から出てきた人波に飲み込まれた二人。
咄嗟に竹田が、小夜子を抱きかかえてかばった。
「大丈夫ですか? 気が付かずに、申し訳ありませ . . . 本文を読む
(五)
小夜子の歩みに歩を合わせながら、快活に話す竹田。
社内での無口さが、まるで別人のようだ。
そして小夜子の荷物を大事そうに両手で抱えて、まるで我が子のように慈しんでいる。
「そう、それは良かったわ、お元気になられて。
母もね、長く床に就いていたの。あの時は幼すぎて、看病の一つもできなかったわ。
心残りだったのよね、それが。
だからね、母への親孝行のつもりだったの」
「看護婦すら敬遠 . . . 本文を読む
(五)
小夜子の歩みに歩を合わせながら、快活に話す竹田。
社内での無口さが、まるで別人のようqだ。
そして小夜子の荷物を大事そうに両手で抱えて、まるで我が子のように慈しんでいる。
「そう、お元気になられたの。それは良かったわ。
母もね、長く床に就いていたの。あの時は幼すぎて、看病の一つもできなかったわ。
心残りだったのよね、それが。
だからね、母への親孝行のつもりだったの」
「看護婦すら . . . 本文を読む
「奥さまー! 小夜子奥さまー!」
張りのある声が構内に響いた。夢想中の小夜子を、現実に呼び戻した。
「お待たせして申し訳ありません。あちらの駅から連絡頂ければ、お待たせすることもなかっのですが。
大丈夫ですか、お疲れではありませんか? お荷物、これですね。
はい、社長に言い付かっております。お戻りになるまで、ぼくをお使いください」
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“なによ。新婚なのに、武蔵ったら。ほんとなら、新婚旅行中の筈よ。
それを出張だなんて。そんなこと、ひと言も言ってなかったわ。
そうと分かっていれば、武蔵と一緒に帰ったわよ。
なにか、具合の悪いことでもあったのかしら。 . . . 本文を読む
途方にくれた小夜子、立ち竦んでしまった小夜子。
見知らぬ人ばかりで、声を掛けることができない。
否、これまでの小夜子では、誰かしらが進んで助けてくれていた。
しかし今乗客全員が降りきっても、一人呆然と座っている。
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怪しかった曇り空からぽつりぽつりと雨粒が落ち始めたのは、小夜子が駅の改札を出た頃だった。
着物類の大荷物は武蔵が持ち帰ってくれたものの、小夜子の母親澄江の思い出の品で、また膨らんでしまった。 . . . 本文を読む
昨日土曜日は、月に一回の同人例会でした。
残念ながら、車の事故による国道の通行止めやら、腰骨を折られた方やらと、出席者八人どまりでした。
やっと新人の女子大生の入会があり、一気に若返りました。
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興奮冷めやらぬ中、運ばれてきた食事に舌鼓を打ちながら
「これって、本物だよね」
「ここも偽装を認めたんだもん、もうやらないでしょ」
「タイミングとしては、グーでしたね」
と、好き勝手なことを… . . . 本文を読む