「お早うございます、今回は、お世話になります」
由香里の歓迎の言葉に耳を貸すことなく、先ず父親に挨拶をした。
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タケくんも、もう立派な大人です。自分の行動に責任を持ってくださいね。お母さんも、そうしたいと思っています。
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彼の手紙に対する母親からの返信は、意外にも淡々としていた。泣き言が書かれているものと考えた彼は、肩透かしを食らった。 . . . 本文を読む
四十半ばの女性が、彼の背を支えた。
背中に宛がわれた両の手は暖かく、冷え冷えとしている彼の体に、じんわりと暖気が入り込んでくる。
「学生さんだったわね? このアパートでは珍しいわね。
あなた、お酒なんか飲むんでしょ? 翌日、辛くない?
良いのがあるのよ。シジミのね、エキスがたっぷりと‥‥」
気さくに声をかけてきたが、アパートの管理人に「話に乗らないようにね」と、忠告されている。
「お隣さんに . . . 本文を読む
「相棒」大好きのわたしが、こんなドラマが観たいと、勝手に考えました。
いつも相棒を振り回している右京さんが、今度は逆に振り回されるという設定なんですわ。
先日、お話しましたね。
で、今日はその具体案をひとくさり…。
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早速彼は、母親にその旨手紙にしたためた。
「泣き言を言われるだろうなあ。お爺さまのこともあるし、お母さんも大変だろうし。
けど、僕の一生に関わることなんだ。佐山さんにお願いすることになるかもしれないんだし」
気が重い彼だった。
アパートを出て、少し歩いたところの角にあるタバコ屋に設置されている赤いポストまで歩いて五分ほどなのだが、長い時間に感じた。
隣の民家の玄関先では、ジョンという犬が犬小 . . . 本文を読む
よいしょ、よいしょ、と頂上を目指して頑張る蜂くんがいます。
かと思えば、黄昏れてしまってやさぐれている蜂くんもいます。
相棒14が始まるそうです。
嬉しいことです。
それにしても、今度の相棒が反町隆史さんだとは。
ビックリですわ。 . . . 本文を読む
「御手洗君。君には、小学校の低学年を担当してもらいます。
いえいえ、ホテルでの特訓コースはありません。
そちらの方は通常通りに、三十日で終わります。
ですから、子供たちと仲良くやって下さい。
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涙が出てきます。
必死に見張り役を務めようと、巣の屋根に登ろうとする蜂くんです。
「大丈夫、見ているだけだから。
今までどおりに、蜂くんたちが侵犯しなければ、何もしないよ。
専守防衛だからね」 . . . 本文を読む
「今年の冬は暖冬傾向になりそうです」
気象予報士の言どおりに、暖かな日々が続いた。
商店街の活気は弱く、繁華街に人が溢れることもなかった。
「こう不景気じゃ、クビでもくくるしかないよ」
「そうだね。保険金をいただくしかないかねえ」
冗談とも本気ともとれぬ話が、街のあちこちで聞かれていた。
決まって最後に「入ってたらの、話だげどさ」というオチが付いて、笑いがこぼれた。
しかしその笑いは、当の本人向け . . . 本文を読む