水たまりの中の青空 ~第二部~(二百九十一) 2022-11-30 08:00:19 | 物語り 前夜まで降り続いていた雨も上がり、ぬかるんでいた道もほぼ乾いた。 そこかしこにある小さな水たまりに車輪が入ると、水しぶきが上がる。 突き抜けるような青空が、一気にゆがんでしまった。 . . . 本文を読む
水たまりの中の青空 ~第二部~(二百九十) 2022-11-29 08:00:30 | 物語り 「三羽がらすって言われてるらしいけれど、竹田はもの静かね。 でも、みんなの信頼は厚いみたい。おちゃらけがない分、落ち着いているものね。 . . . 本文を読む
半端ない読後感:トルストイ作「アンナ・カレーニナ」その弐 2022-11-26 08:00:59 | よもやま話 人間の記憶というものは、どうにもならんもんですわ。 それとも、わたしだけのことですか。 「そうだそうだ、おまえさんだけさ」。なんてことは、なしにしましょうよ。 . . . 本文を読む
水たまりの中の青空 ~第二部~(二百八十九) 2022-11-24 08:00:02 | 物語り アーシアのにこやかに微笑んでくれる顔が浮かぶと同時に、大粒の涙がどっと溢れ出た。 アーシアを思い浮かべても、このところ涙までは流さなかった小夜子だった。 . . . 本文を読む
水たまりの中の青空 ~第二部~(二百八十八) 2022-11-23 08:00:46 | 物語り 「千勢は、会社に顔を出したことがあるの? たとえば、武蔵の忘れ物を届けたりとか」 「とんでもありません! 旦那さまがわすれものなんて。 . . . 本文を読む
水たまりの中の青空 ~第二部~(二百八十七) 2022-11-22 08:00:07 | 物語り 俯いて、か細い声で、話すべきかどうかを迷いつつといった風に、首をかしげつつ話し始めた。 「あの、小夜子おくさま? そのお話を旦那さまからお聞きしたとき、正直変だな? と思いました。 . . . 本文を読む
水たまりの中の青空 ~第二部~(二百八十六) 2022-11-17 08:00:00 | 物語り 「でもよくじつのだんなさま、ほんとにうれしそうでした。 『観音さまに会ってきたぞ!』って、そりゃもう大はしゃぎでした。 . . . 本文を読む
水たまりの中の青空 ~第二部~(二百八十五) 2022-11-16 08:00:34 | 物語り 「そんなことより、そのかんげい会のお話を聞かせてください。どんな風でしたか?」と、身を乗り出してせがむ千勢だ。 . . . 本文を読む
水たまりの中の青空 ~第二部~(二百八十四) 2022-11-15 08:00:56 | 物語り 「それがね、もう大変だったの。 歓迎会だなんて言い出してね。仕事そっちのけで、準備したらしいの。 . . . 本文を読む
水たまりの中の青空 ~第二部~(二百八十三) 2022-11-10 08:00:51 | 物語り 「ええっと……」と、指を折りながら考え込が、中々答えが返ってこない。 「小夜子には内緒だぞ」。武蔵に念を入れられている。 . . . 本文を読む
水たまりの中の青空 ~第二部~(二百八十二) 2022-11-08 08:00:54 | 物語り 「だんなさま、おどろかれたでしょ。でも、分かる気がします。包丁を持って、いざ! という時に声を掛けられたのでは」 . . . 本文を読む
水たまりの中の青空 ~第二部~(二百八十一) 2022-11-08 08:00:25 | 物語り 「もうしわけありません。ちょっと昔のことを思いだしてしまいまして。 そうだ! 今日は小夜子さまのお帰りだと聞いて、実はこれを」と、ぶっといふかし芋を卓に乗せた。 . . . 本文を読む
水たまりの中の青空 ~第二部~(二百八十) 2022-11-03 08:00:13 | 物語り 「あたしは、だめなんです。うまく吸い込むことができないんです。 以前、旦那さまにしかられました。『そんなちびちび食べたら、ちっとも美味しくないだろうが。 . . . 本文を読む
水たまりの中の青空 ~第二部~(二百七十九) 2022-11-02 08:00:22 | 物語り 木の香が漂う湯船に浸かり、木の縁に両手を置いてゆったりとした気分に浸る小夜子だった。 心底から心が開放されていく思いがする。 . . . 本文を読む
水たまりの中の青空 ~第二部~(二百七十八) 2022-11-01 08:00:12 | 物語り にこやかな表情のまま突っ立っている竹田に、ぶっきら棒に告げる小夜子。 竹田のことは、もうまるで眼中になかった。 . . . 本文を読む