元旦に、突然届いた荷物。
日が経つにつれ、膨れ上がってきた。
中から出てきた物は……人形だった。
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「お父さん、起きてよ。
こたつのうたた寝は、風邪惹きの一番の元だよ。」
「あぁ…なんだ、明美か。
えっ? いつ来たんだ。 . . . 本文を読む
「マリー・アントワネット王妃が幽閉されたとかいう牢獄への道筋を教えてもらいますか?」
「地下鉄で行かれますか? それとも、タクシーを使われますか?」
「地下鉄で」と口に出かかったのですが、スリの話やら切符の買い方やら、また面倒になるかと思い「タクシーで」と答えました。
「日本と違いまして、流しのタクシーはおりません。すべて、タクシー乗り場でということになります。」
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フラメンコのショーのことですがね。本場はね、スペインだと分かっています。
でもね、案外パリにも、場末のバーのようなレストランのような、そんな店があるんじゃないか、と思ったわけですよ。
事前にね、インターネットででも調べておけば良かったのですがね……。
現地で聞けば分かるだろうと、高をくくっちゃいまして。
結論から言うと、教えて貰えませんでした。
「分かりませんねえ」という、つれない答えが、旅行会社の社員さんから返ってきたのです。
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元旦に、突然届いた荷物。
日が経つにつれ、膨れ上がってきた。
中から出てきた物は……人形だった。
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「ご主人さま。さよこは、お嫌いですか?」
哀しげな目を見せる。
「でしたら、お部屋に入れて下さい。
いつまでも玄関先だなんて、さよこ、淋しいです。」
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元旦に、突然届いた荷物。
日が経つにつれ、膨れ上がってきた。
中から出てきた物は……人形だった。
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「ご主人さま、申し訳ありません。
嫌な思いをさせましたでしようか。
服を着るというプログラムがありませんので。
苦情申し立てをなさいますか。
連絡先は…」
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わたしは連れとなると方も居ないことだしと、窓際の2人テーブルに陣取りました。
いや、寂しくはないですよ。
船尾なのか船首に当たるのか判然としませんが、その近くでした。
先ずはお水が運ばれ、そしてシャンパンかワインかと聞いてきます。
ご承知の通り、アルコールを控えているわたしです、丁重に「ノン」とお断りしました。
「ノーではなく、ノン。これで良いですよね?」
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元旦に、突然届いた荷物。
日が経つにつれ、膨れ上がってきた。
中から出てきた物は……人形だった。
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顔を赤らめながら、小声で言う。
その恥じらいは、まさに乙女のそれだった。
こちらもつられて、どぎまぎしてくる。
相手は人形だというのに、正視できなくなった。 . . . 本文を読む
それにしてもまあ、パリの交通事情ときたら……
凱旋門周辺はひどいものです。
一応、侵入用の信号機がありました。
あちこちから車が進入して、そして出て行きます。
もしもわたしが運転しているとしたら、恐らくは朝に入って夜に出ることでしょう。
その間、ぐるぐる回り続けるんじゃないでしょうかね。
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