“わたしはほんとうに、トップに立ちたいの?
ただ幼いころにいだいた憧れの気持ちに酔っているだけじゃないの?
わたしの居場所は、あの教室の、一講師にすぎないのでは?” . . . 本文を読む
(二十)グデン・ぐでん
そして書いてあった、詩。
(グデン・ぐでん)というタイトルが。
わたしはいま、とても酔っています。グデン、ぐでんの、泥酔状態です。
わたしは今、とても淋しいのです。人恋しくて、人恋しくて、たまりません。
わたしは今、とても泣きたいのです。ワアー、ワアーと、号泣したいのです。
あのひとは今、どうしていますか。よっしゃ、よっしゃと、駆け上がってますか。
あのひとは . . . 本文を読む
そんな小次郎をせせら笑うかの如くに小舟から飛び降りたのムサシの目に、島の外れにある神社が入った。
寺を出て十年の余、神仏に対する畏敬の念を捨て去り、一度たりとも神仏に手を合わせることのなかったムサシが―いまさら神仏に加護を願うことなどできぬと煩悶してきたムサシが、 . . . 本文を読む