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昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

水たまりの中の青空 ~第一部~ (五十二)

2020-12-30 08:00:31 | 物語り
「ただいまあ、お父さん。楽しかったよ、ありがとうね。 今度はね、お父さんもご一緒にどうぞだって。来年の早い時期にまた来られるようにするからって。 それまでにね、あたしは、絶対英会話が出来るようになってなきゃ」  キャッキャッとはしゃぎ回る小夜子に、茂作はにこやかな表情を見せるだけだった。 昨日までの、いや小夜子が帰って来るまでの憔悴しきった顔が、ただいまの声と共に、消え去った。 一気に生気が戻った . . . 本文を読む

水たまりの中の青空 ~第一部~ (四十三)

2020-12-09 08:00:38 | 物語り
「ごめんなさい。あたしもおしゃべりしたいんですけど、ほんとに時間が……」 「ちょっと! アナスターシアよ、世界の憧れの的の、アナスターシアよ」  信じられない思いだった。断るなどということは、ありえないことだ。 銀幕のスターたちでさえ、会いたがるのだ。 実際、雑誌社からの取材申し込みが殺到している、と聞いている。 対談の申し込みも、だ。それを、この娘が断る、と。 「あなた、どうかしてる。絶対、お . . . 本文を読む

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