昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九) なぜ私を騙した!

2015-01-31 11:11:49 | 小説
大きくため息をついた浅田は、ティーカップを手にして窓辺に向かった。 「彼女には…。 今の君と同じ立場に立たされたのですよ、わたしも。 そう、二歳の女の子が居たのです。 信じられますか? 敬虔なクリスチャンで、未婚の女性で、理知的な女性に、です。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九) まあ、聞いてくれよ

2015-01-28 08:48:55 | 小説
「まあ、聞いてくれよ」 と、昨日のことを話し出した。 「酔っ払いはねえ、基本的に自己中心なんです。 ほろ酔い、泥酔、そして乱酔。生酔い、大酔、酩酊なんてのもあるね。 その度合いが深まるにつれ、自己中心もまた度合いが深まっていく。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九) 青春恋愛か、なるほどね

2015-01-26 11:18:36 | 小説
喉にひりつきを覚えた彼は、 「悪かった。どうだい、ビールでも飲むかい?」 と、冷蔵庫を開けた。 「そうだった、ウィスキーを買ってきてたんだ」 吉田の差し出したウィスキーに、彼は少したじろいだ。 耀子のマンションで初飲みしたその翌日、二日酔いに悩まされた彼だった。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九) = ゆめ・うつつ =

2015-01-22 08:59:13 | 小説
“それにしても、最近はどうなってるんだ。のぶこさんや耀子さんには、からかわれるし。貴子さんとは、相変わらずだし” ベッドに潜り込んでからの彼は、ただただ悶々としていた。 “何をしたって言うんだ、まったく。それとも、もっと強引に行かなくちゃいけないんだろうか” 彼はモヤモヤとした気持ちのまま、何度も寝返りを繰り返した。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (九)  デパートでのアルバイトを辞めて

2015-01-19 08:45:08 | 小説
近年にない猛暑に悩まされ続けた夏も終わり、デパートでのアルバイトを辞めてからほぼ一ヶ月が経った。すぐに見つかるだろうと思っていた家庭起教師のバイトも、条件が合わずに決まらずにいた。 “デパートのバイトを辞めたのは早計だったか…” 半ば後悔の気持ちが湧きはしたが、すぐに“いや、これで良かったんだ”と思い直した。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) 『ランバダ』だよ。

2015-01-18 11:56:00 | 小説
「今、起きます。起きますから、待っててください」 一時の酩酊状態からは抜け出したものの、体に力が入らない彼だった。 「情けないぞお! 妙齢の女二人が居るというのに」 耀子のそんな声に、のぶこが呼応した。 「そうだ、そうだあ! 男なら、襲ってみなさいよ」 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) ダンスの練習だあ!

2015-01-17 09:21:52 | 小説
「おいっ、こらっ! ミタぁ、起きろ! 練習だぞ、ダンスの練習だあ!」 耀子が突然に、酔いつぶれてテーブルにうつ伏していた彼の、頬を抓ったり耳たぶに噛みついたりした。 「はいっ、わかりました」 応えはするものの、彼の体はピクリともしなかった。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (八) 人参よりキュウリがいいです

2015-01-16 08:53:05 | 小説
「すみません。ぼくは、人参よりキュウリがいいです」 「バカねえ、人参じゃなきゃダメなの」 「好きじゃないんですよ、人参は。どうしても、ダメですかあ?」 「もう、この子ったら。とぼけてるの? それともホントに分かんないの? のぶこ、何か言ってやんなさいよ」 . . . 本文を読む

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