昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

わたしの見た、おフランス・パリcity (旅行記) 五十

2013-08-05 19:25:05 | よもやま話
(五十)

えっ?! これが…… 世界の中心、キャバレー[ムーラン・ルージュ]ですか…

なんて、小さな入り口なのでしょう… アリスの不思議な国…なのですか? 
昭和の御代にあった三流映画館のような趣きを感じさせる、ほんとに小さな入り口だ。

屋根の、あの赤い風車も、小さい…… 
もっと、こう、重厚な威圧してくるような赤い風車を思い描いていたわたしには、玩具のように感じられてしまう。



渋滞に巻き込まれてしまい、「雨が降ると、どっと車が溢れます」という言い訳も、予定時間になっても到着しないバスを待たされた我々二十九人には、白々しい。

余裕を持って、客を待つようなゆとりを持った時間設定のできないバス事情が恨めしい。
全ては、道路事情にあるとでも言いたげな、今夜の案内人。

六十を過ぎてはいないだろうか、初老の男性だ。弱々しい声が、バスの車内に響いた。

「時間を押しています。皆さんには、機敏な行動をお願いします。
当たり前のことですが、店内では、給仕の指示に従って下さい。
勝手に、好きなテーブルというわけにはいきません。」

「当たり前だろ、そんなの」
そんな声が聞こえてきました。居るのでしょうか、そんな不届き者が。
案外、酔っ払ってしまったツアー客かもしれませんね。

もぎりのおばさんならぬ、屈強なアフリカ系のお兄さんが入場整理をしている横をすり抜けて、長蛇の列をなす客たちを後目に、予約客だからといことだろうか、すんなりと入れた。

にこやかに微笑みつつも眼光鋭いお兄さんに「ボンジュール!」と声をかけて、開いているドアをくぐり抜けた。
痛いほどの、鋭い視線が浴びせられる。長い時間待たされているのだろう当日客たちの視線が、体に突き刺さる。

左手にお土産のコーナーがあったが、見て回るどころではなく、追われるように会場へ。
チラリと見た限りでは、さほどの種類はないようだ。

「お土産は、引退した踊り子さんたちが販売しています」
“ファンになった客が、その踊り子さん目当てに来るのですよ”とでも言いたげだ。

そして右手だ! こちらには、往年のポスターがズラリと貼ってあった。
じっくりと鑑賞したいところだけれども、とにかく早く早く、と急かされた。

けれども、フランク・シナトラそしてライザ・ミネリのご両人のポスターは見逃さなかった。
ジャン・ギャバンも出演したと聞いた記憶があるけれども、歌ったのだろうか? 

慌ただしく入店する中で、しっかりとパンフレットを買い求めた。
確か、10ユーロだったと思うけれども、高いとも思わないし惜しくもない。

分厚いドアが開いて、いよいよ夢見たステージが眼前に! 

「入り口は狭いですが、中は広いですよ。
椅子数は、1,000席あると言われています。」

ズラリと並べられたテーブル、テーブル、テーブル。
そして、人、人、人! 一体、何人入っているんだ! 

1,000と言う数字も、あながち嘘じゃないかも。
にしても、なんて狭いんだ! 飛行機の座席並みじゃないか。 
お昼のレストランも狭かったけれど、フランスでは、みな、そうなのかい? 

歌手は、男性・女性の二組でした。


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