さむらい小平次のしっくりこない話

世の中いつも、頭のいい人たちが正反対の事を言い合っている。
どっちが正しいか。自らの感性で感じてみよう!

象徴天皇の務めが常に途切れることなく,安定的に続いていくこと Part②旧宮家の方の皇籍復帰について

2019-05-27 | 天皇・皇室


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『これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり,相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう,そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく,安定的に続いていくことをひとえに念じ,ここに私の気持ちをお話しいたしました』

このおことばは、平成28年8月8日、上皇さまが天皇として私たち国民に向けておっしゃったおことばです




平成から令和へと時代が変わり、日本中が祝賀ムードに包まれ、天皇陛下のご譲位、ご即位の日には多くの国民が皇居前に集まりました

若い方々の姿も多くみられ、中には涙する人さえいらしたわけです

やはり日本人とは天皇と皇室のみなさまを敬愛してやまない、これは日本人の本能のレベルでしみついていることなのだろう、そう感じたのでありました

しかし、その敬愛する皇室の状況は、皇太子が不在であり、現行法のままであれば、悠仁さまがご即位されるころには、もはや皇位を継承できる方が誰もいないという可能性もあり、皇室の存亡について危機的な状況にあることを前回の記事で述べました

その打開策として

『現行法を改正し、女系天皇、女性天皇を認め、女性宮家を創設し、女性皇族のみなさまがご結婚後も皇籍を離れず残れるようにしようという論』



『過去に皇籍を離脱した旧宮家の方で、かつ男系の血筋の方に皇籍に復帰願おうという論』

があり、今対立しているわけです女系とは?については前回記事参照

後者の、旧宮家の方の復帰を主張する方々は

『皇統は神武天皇以来、一貫して男系によって継承されてきたのであり、その伝統を変えるということはあってはならない、日本と言う国を変節せしめてしまう』

との考えから、現在の『皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する』との『伝統』を維持すべきとの立場をとっています(男系の女性はあっても、その後が女系になる)

この正反対の論が激しく対立していることからか、政府も現在の皇室の存亡にかかわる重要な事柄でありながらも、方向を決めかねているようにも見えます(その間に時間はどんどん過ぎていく)


さて、私は、結論から申し上げますと


『現行法を改正し、女系天皇、女性天皇を認め、女性宮家を創設し、女性皇族のみなさまがご結婚後も皇籍を離れず残れるようにする』

ほかない、と考えております

以前は違いました

割と頑なに『皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する』べきであり、『旧宮家の方の復帰』を支持する立場でした

でも変わりました

以下に私なりのその理由を述べたいと思います

『旧宮家の方の復帰をお願いする』

この考え方は、ひょっとすれば大変に身勝手で、かつ不敬なものではないか

皇籍を離脱された方々、この方々はもはや『一般人』です

一般人と言っても、元皇族の方々ですから、私のような者とはお育ちのされかたも違うかもしれません

しかし、時間の経過とともに、世代も代わり、より普通の『一般人』になられているのではないでしょうか


時に恋をしたり、失恋したり、好きな人と結婚したり家族を持ったり、その家族とともに、時に笑い、時に泣き、将来の夢を持ったり、その夢を叶えたり、叶わず挫折し、新たな夢を持ったり、『一般人』として、良かれ悪かれ人生を謳歌しているのではないでしょうか

そのような『一般人』の方に、全ての『私』を捨て、その御身を『公』のために捧げ、日々国家と国民の平穏と安寧を祈り続ける、という重責を負わせるというのでしょうか

俗世における将来の夢や、家族との平穏な日々、時には愛する人そのものなどを捨て去りご即位頂く…

今、皇籍への復帰をお願いしても、実際にご即位になられるのは、お受けしたご本人ではなく、おそらくはそのお子さまか、お孫さんということになるでしょう

そのような重責を負うことが、ご本人は覚悟の上としても、それを子や孫に負わせる、といった場合の親としてのご決断を想うとき、そのお心はいかほどのもでしょうか、想像するにあまりあります

そのような重責を負われ、日々国家と国民の平穏と安寧を祈られている、だから私たち国民は天皇陛下と皇室のみなさまに感謝し、崇敬申し上げているのでははいのでしょうか

時に不敬な心無いバッシングなどを浴びながらも、何も反論することもかなわずそのお務めを果たされている

天皇陛下にご即位いただくというのはそういうことであり、それほどの大変なお願いをするというのに、『旧宮家の方の復帰をお願いする』という主張をなさる学者や、識者、政治家、一般のブロガーさんなんかも含めて、実に簡単にその案を述べ、そしてその口調はあまりに軽すぎるように感じます

また、この論は、逆に言えばこれまでの天皇陛下のお務めは、一般人でも務まる程度のことだ、と言っているに等しいように思います

以上のことから、身勝手で不敬な主張ではないか、そう感じたわけです


『皇統は神武天皇以来、一貫して男系によって継承されてきたのであり、その伝統を変えるということはあってはならない、日本と言う国を変節せしめてしまう』

この考え方はよく理解できるのです

以前自分もそう考えていましたから

しかしながらどうでしょう

もうすでに日本は大いに変わってしまっていないでしょうか

儲かればそれでいい、面白ければそれでいい、という価値観が蔓延し、信じがたい利己主義が世の中を包み、親が子を虐待しいじめ殺す、年端もいかない小学生がいじめを苦にその命を自ら断つ

ほんの少し前まで、日本はこんな国ではなかったと肌で感じています

男系の君を戴きながら、すでに日本は大いに変質してしまっています

何が言いたいのかと申せば、日本を変質せしめるのは、天皇と皇室のみなさまではもちろんなく、男系であろうと女系であろうと、君を戴く私たち国民一人一人の覚悟と心構え次第だと言うことです


最後になりますが、以前も述べたのですが、検索したら全文が出ている記事を見つけましたので、愛子さまが中学生の時に書かれた『小説』をご紹介したいと思います


http://pleasureaggre.com/aikosama-sakubun-chuuichi-kyougaku/

これを初めて拝読させて頂いたとき、短い文章の中ながらも、まるで古事記や日本書紀の神話の世界を彷彿とさせ、愛子さまが私たち一般人とはまるで違う、まさに『神域』のような領域でお暮しになり、お育ちになられている、そしてその感性は、永きにわたる伝統を確実に受け継いでいらっしゃる、そう強く感じたのでありました

本来は、皇位の継承は天皇と皇族のみなさまでお決め頂くことが一番ですが、それがかなわぬ現代日本において、日本人一人一人がこの問題と向き合い、最善を尽くさねばならないと考えます



次回、この稿の最終として、男系・女系について、巷の学術論、果ては陰謀論などについて私の思うところを述べてみたいと思います







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