晴れたら野山に出かけよう!

おいしい空気をいっぱい吸って 愛しい花や小鳥に会いに出かけよう

宮沢賢治 World

2013-10-24 21:37:19 | 旅行

東北旅行 最後の日になった。
雨は上がり 青空が見えている。
紅葉はここも今年は遅れているようで この週末が見ごろになるだろうとのことだった。朝から渓谷沿いの湯めぐりをした後 花巻に出て 宮沢賢治の世界に浸ってこよう。

花巻駅に カーナビをセットして花巻市に入ると すぐに 「宮沢賢治詩碑」という案内が目に付いた。
宮沢賢治のゆかりの地らしく いろんなモニュメントや「同心家屋」と名づけられたかやぶきの家などがあった。同心家屋の意味は 歴史に疎い私はよく分からないが 歴史的遺産のようだ。


 



案内に従い 歩いていくと 宮沢賢治が住んでいた屋敷跡地で 羅須知人協会跡地でもある敷地内に 大きな石の詩碑があり
「アメニモマケズ」の詩が 高村光太郎の字で刻まれていた。
賢治の死後3年後に作られたものだそうだ。
誰もいないと思っていた その薄暗い敷地に立っていると どこからともなく 小さい小さい音でメロディが流れているのに気がついた。



宮沢賢治が作った「精神歌」で今は花巻農業高校の校歌になっている聞き覚えのある曲だ。どこから聞こえてくるのか不思議に思い きょろきょろ見回すと 敷地の隅のベンチに腰掛けて 80歳は過ぎていると思われる小柄なおばあさんが北上川を見下ろす方を向いてハーモニカを吹いているのだった。
それが その空気の中に溶け込んで なんともなつかしいような響きである。そばに行って声をかけると 控えめなかわいいおばあさんで 宮沢賢治を敬愛しているのが一目で分かる。この詩碑の前で毎年9月21日に全国から賢治ファンが集まって 賢治祭が行われること。「自分」は当日の大勢の人の中には 足が不自由なので来ないが ここでハーモニカを吹いていると近所の迷惑にならないし 賢治さんのことを思うことが出来るので今日は久しぶりに出てきたこと。花巻農業高校の生徒は偉大な恩師を敬い その伝統校に学ぶことを誇りに思い その名に恥じないような生き方を常に心していること。今年は「下の畑」に小学校の生徒が白菜の植え付けをしたこと。 他に「賢治さん」のことを親しみを込めて ゆっくりと あれこれ話してくださって また 杖を突きながら ゆっくり自宅の方に帰っていかれた。





賢治の心が私の心の中をも通り抜けて行ったような気のするひと時だった。
北上川 「イギリス海岸」、早池峰山、胡四王山 「下の畑」 「賢治の自耕地」 などを望むこの高台を降りて 胡四王山にある宮沢賢治記念館を訪ね その生涯や足跡 多岐にわたる多くの資料や陳列品を見、音楽を聴き 宮沢賢治の世界で心が洗われたような思いがした。
近くにある 「注文の多い料理店 山猫軒」で「山猫雑炊」を昼食とし 夕刻の航空便に遅れないようにひたすら仙台に戻った。



 

楽しい旅が終わった。

白神山地 その2

2013-10-24 17:55:42 | 旅行
3日目
昨夕は 海に沈む夕日と温泉のコラボレーションは見ることが出来ませんでしたが
夜中にふと目が覚めると 煌々と輝く満月が海面を照らしていました。
夕陽に負けないほどの素晴らしい月夜でした。
 


朝から海辺の露天風呂に入って 海に沈む月を眺めていました




今日も行きたいところが目白押し。
早々に宿を出て 十二湖に向かいます。
十二湖とは 青森県側の白神山地西部に位置するブナ林に囲まれた33の湖沼群です。
江戸時代に発生した大地震による山崩れによってできたそうです。その際、大小33の湖沼ができましたが、近くの崩山から眺めると12の湖沼が見えたことから十二湖と呼ばれるようになった とネットに書いてありました。
旅行社のツアーではたいてい行くところのようですが 人を避けて 奥にあるリフレッシュ村と呼ばれるところにある駐車場に車を置いて散策することにします。
森に入るなり あの香ばしい「醤油せんべい」の香りがしてきます。
秋になると香りを放つ「桂の木」があるはずです。あっちでもこっちでも お醤油の香りがにおってきます。たまらなくうれしい おいしそうな匂いです。まあるい黄色い葉っぱが足元に落ちています。
森は ぶな、栃、桂、ハウチワカエデ イタヤカエデ ミズナラ などの樹木が色づき しっとりした森の中に いくつもの湖が点在しています。「青池」は人気の池で その神秘的な青色には吸い込まれそうな思いです。 




ボランティアでお抹茶を出してくれる茶店がありました。
ここで一息。久しぶりにお抹茶とお菓子をいただきました。料金は「お心」を箱に入れるだけです。2時間ばかり散策して 次へと急ぎます。
白神ラインと呼ばれる未舗装のくねくねとした細い山道は 西目屋村へ続いています。
紅葉が盛りを迎え ぶなの森が延々と続いています。


西目屋の暗門の滝も 多くの人が訪れるところで 岩木川の支流である暗門川の渓谷に沿って奥へ行くと 3つの滝がある。少しスリリングなところもあるが 最奥の第1の滝は 先日来の大雨の影響で通行止めになっており 第2の滝で引き返した。

夕暮れが迫り 急いで宿泊地の酸ヶ湯温泉に向った。宿に着いたときは外は真っ暗で何も分からなかったが 八甲田山の中腹標高925Mにある一軒宿で 江戸時代から湯治客が過ごしていたそうである。混浴の千人風呂が有名だが 白濁のお湯がとても気持ちよく 効能が大きいようだ。今冬は積雪566㎝を記録したのをテレビのニュースが報じていたのを思い出す。

 

4日目
今日は雨。
周囲の山は 今が紅葉の真っ盛りだ。見事な紅葉を見せる八甲田の山頂はもうすっかり落葉してしまっているそうだ。



午前中ぐらいは曇り空で過ごせるかと思ったが 宿を出てすぐに雨は降りだした。
紅葉盛りのぶなが多い山道を下る。酸ヶ湯の近くには 以前行ったことのある谷地温泉が 人気も少なく 紅葉の中にたたずんでいた。
どこまでもため息のつくような美しい山の中をどんどん下って奥入瀬渓流に出た。石ヶ戸に車をおいて 雲井の滝まで往復2時間ほど 雨のなか渓流沿いの遊歩道を歩く。木々が雨にぬれて 辺りの景色は色鮮やかだ。
ここは 桂の木が多く また醤油せんべいの香りがぷんぷん、かぐわしい。私はこの匂いが大好きで 秋の山にやってきた思いをいっそう強く感じさせるのだ。紅葉のピークはあと1週間後だろうか?



その後 十和田ICから北上西ICまで ワイパーをせわしく動かせながら南へ走る。ICを降りて山道を奥に分け入る。天候が悪いこともあり早々と日がくれ また真っ暗な山道をくねくねと いつになったら着くのやら。 
やっとのことで明かりが見えて 今夜の宿の 夏油温泉に着く。夏油温泉は1000年以上前に発見された古くからの温泉だそうで渓谷沿いに 7つの異なるお湯の源泉があり それぞれに混浴の趣のある露天風呂が点在している。
露天風呂は明朝にして 内風呂で温泉に浸り 早々と就寝する。

白神の森をたずねて

2013-10-24 00:14:25 | 旅行

一度行きたかった白神山地を4泊5日の日程で訪ねることが出来た。

17日、秋晴れの下 仙台空港からレンタカーで一路北に向かって 出発!!
青森までは遠いので 途中で宿泊しながらの行程です。
最初の宿は 西和賀町ゆだ温泉郷にある錦秋湖から少し入った渓谷沿いの湯川温泉の一軒宿にした。
「和賀山塊」といえば 春はカタクリなどの早春の花が咲き乱れる頃の沢内村を尋ねてみたいとかねてから思っていたが 今回は秋の白神山地を目的にし 又の機会を夢見て断念した。
「JRほっとゆだ駅」には温泉の暖簾がかけられており 日帰り入浴施設があるようだ。駅前の広場にも 足湯が用意され 数人の婦人が足をお湯につけておしゃべりしていた。東北地方は どこを走っても温泉がいっぱいで 温泉が恋しい年頃になると「いいなぁ」と思ってしまう



宿の温泉で 秋深まり行くせせらぎの音を聞きながら ゆったりと旅の疲れを癒す。
お部屋の名前も「錦秋」ですが周辺の紅葉は やっと色づき始めたばかりです。
今年は例年より少し遅れているようです。

2日目
今日も天気は上々、 白神山地を目指します。
地道をゆっくり走りたいのだけれど 白神に時間を使いたいので 秋田道を終点能代東まで飛ばします。ここまでくると 遠くに見える山並みは 白神山地だろうな、と見当がつきます。旅の計画段階では あっちも行きたい、こっちにも行きたいと考えていましたが時間に余裕はなく 八峰町から上る手軽な「二つ森(1086m)登山」に絞って 白神山地に触れることにしました。
以前NHKの「プロジェクトX」で放送されたが ここは 青森と秋田を結ぶ青秋林道が ぶなの原生林をぶち抜いて作られる計画がなされたが 貴重なぶなの森を守るため  根深誠氏 鎌田孝一氏や またぎの人たち 登山家 漁師 その他多くのこの地を愛する多くの人々による反対運動が実って、二つ森の手前で中止されたところ。



林道はどんどん上って行くと 見晴らしもよくなり 遠くに白神岳が頭を覗かせ 辺りのぶなの森は 黄色やセピア色に色づいたブロッコリーが山肌を覆うように 広大に広がっています。
終点の標高900mぐらいの所に駐車場所があり 小さな無人休憩所もあって 宿泊できるように毛布がおいてありました。この地点から奥は 世界遺産に登録されたところで 核心部には踏み込めませんが ここは緩衝地になっているので登山が許されています。
山道はすぐにぶなの森になり 足元にはぶなの落ち葉がいっぱいです。


もう かなり落葉しています。かわいいぶなの実も落ちています。他に あれはウダイカンバ? (今までに知っているのはシラカンバか ダケカンバしか知らないのですが) などが目立ちました。
途中からは 初冠雪が数日前にあった岩木山がくっきり そびえています。  



かなり急な道を登りきると 山頂に出ました。約1時間30分かかりました。
世界遺産に登録された白神山地の全体が見渡せます。
西には最高峰の白神岳 向白神岳などが確認できます。
核心部に入れたらどんなにすばらしいだろうと思いますが もちろん許可もなく 体力もなく 色づいた白神山地全体を見渡して下山しました。

時間があれば行きたい所だらけですが もう夕暮れが迫っています
今日の宿 日本海に面した小金崎・不老ふ死温泉 まで かなり時間がかかりそうです。海に沈む夕日と海辺の露天風呂の写真を テレビなどで見ていたので その頃までに温泉に着きたいと思っていましたが 途中で落陽を見ることになりました。


宿に着いたときはもう暗くなっていたので 内風呂に入って 食べ過ぎたおなかを少し軽くしました。