梅雨明け後の暑さは 「今までに経験のないほどの暑さ」だ。 どこへ出かけることもなく エアコン漬けで終日ゴロゴロしているのもむなしくなって 涼を求めて高野山へ行くことにした。 他に ちょうど今咲いているお花を探すのが最大の目的ではある。
花仲間が教えてくれた 「まだ見たことがない」とても希少なラン科の花を見たかったので 思い切って出かけた。さすが朝の高野山はさわやかだ。
教えてもらった花の咲く場所は おおよその所を聞いていただけで あとは自分で探すのが楽しみである。が いずれも小さい小さい植物でなかなか見つけられない。 一つは草丈が10センチほどの ツレサギソウ属の花である。 山野草の好きな人は ツレサギソウ属と言えばご存じだろうが地味なランである。色も緑色で 他の草に混じって咲くのを見つけるのは至難である。 この辺りでは「ヤマサギソウ」「オオバノトンボソウ」「オオヤマサギソウ」「マイサギソウ」「ナガハシヤマサギソウ」「ジンバイソウ(私は花は未見です)」などは見てきたが 「トンボソウ」は 未見の花だった。さんざん探した挙句 やっと出会えたがまだ蕾だった。 そしてもう少し歩くと開花しかけたものが数株見つかった。
トンボソウ
アオフタバランは高野山には多い。町を取り巻く山裾を歩くといたるところで出会う。
他に ツリシュスランは 3年前には大きな株になっていたのに 今日はその姿はなく またまた多くの苔むした石に生育するその花を探し回った。 やっと見つけたが 今咲くべき時期なのに花の姿は見ることが出来なかった。 どこか知らないところで花を咲かせていればいいが。
開花株を見つけられなかった ツリシュスラン(2010年撮影)
最後に探したのは 超希少な草丈2センチほど 花は5ミリほどの花が わずか1株だけ見つかったと教えてくれたものだ。午前中とは所を変えて探しに行ったが 1時間ほど 目を皿にして探したが見つからない。 いよいよあきらめかけたが 何度も上り下りした山道を 最後に「もう一度だけ」と山を登り返し 薄暗くなった山の中を一歩一歩丹念に探して「あった!」 ああ、一気に苦労が報われた。 一日中花を探し 夕暮れが迫っていた。 ここ数日の暑さは 午後の高野山でも31度までなっていた。 立秋が過ぎたと言われても明日からも続く猛暑が辛い。