イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

カデ フラーラ社オルトレポ パヴェーゼ ピノ ネロ “イル ラロ ネロ”2003

2012-12-03 10:31:53 | ブログ

Photo オルトレポ パヴェーゼ ピノ ネロ “イル ラロ ネロ”(Oltrepo Pavese Pinot Nero “il Raro Nero”)2003を抜栓しまいた。なぜだか瓶が重く大きい。写真には映っていませんが。コルクは45ミリの長さしかなく、キャップシールもペラペラのプラスチィック製です。意味が不明でちぐはぐところがイタリアらしいと言えばそれまでですが。余計な期待感を胸に9年間のエイジングをしたワインです。特別なメッセージが込められていることを期待していたのですが。肩すかしをされたような気がしました。しかし、この価格帯のワインに多くを望むのは無理があると思います。
色はイタリアのピノ ネロらしく、退色せずに綺麗に透明感があります。ラズベリー、サクランボ香りは変わらず華やかでしっとりしています。甘い香りはヴァニラとチョコレートを思わせ、当初よく解らなかったタバコやレーザーの香りが、何気に在るような気がします。酸にはぽってりした柔らかさがあり、上品な果実味も凝縮感の陰影はそれなりの深さがあります。タンニンは荒々しさが残っていて、9年間エイジングさせたのに、と思われました。この部分だけが気に入りませんでしたが。最終章のフルーティーなアフターテイストに心地よい余韻は充分に満足させてくれました。
ピノ ネロがらみで。先日、ラックコーポレーションの展示会がありました。ラックはかつてイタリアワインの扱いがあり、わずかですが買っていました。その縁からか展示会の案内は毎年きます。毎年何を楽しみに行くかと言えば、ブルゴーニュの高額なワインまで多数の試飲が出来るからです。ちなみに、私のお気に入りはシャンボル ニュジニーです。毎年私が一番美味しいと感じたワインのところに行くと、決まってシャンボル ニュジニーです。そこに、フレンチのOグランシェフがいたので挨拶を済ませ、見ておいたほうがよいワインがないかと聞くと、村名付きのブルゴーニュを教えられました。これが色は濃い、村名付きなのに1万円を超えている。このようなピノ ノワールから造られるワインもあるのだ考え深げでいると、ワインを納めくれるTサンが側にいたので。ブルゴーニュで色の濃いワインも造られるのですね。と聞くと、すかさず昔はあったの一言、なぜかジビエ料理を食べるためにブルゴーニュにあったから。そう言われると微妙な納得をしました。その時、頭の中を過ったのがヒグマの赤ワイン煮込みです。これならいけると思いました。