イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

エウベア社、アリアニコ デル ヴルトゥレ “ロイノス” 2002

2012-12-18 09:42:45 | ブログ

Photo 今回のイタリアワインはアリアニコ デル ヴルトゥレ “ロイノス”(Aglianico del vulture Roinos)2002です。今年の4月に“ドン アンセルモ”と入れ替えにワインリストからオフにしたワインで、理由は価格と評価のバランスが悪いと判断したためです。
抜栓の直後は果実味が濃いグレープ ジュースのようで面白さに欠けたワインでした。ふと思い出したことは、この夏に10年越しに来店して頂いたNさんに抜栓して頂いたベルターニのアマローネです。アルコール度数が15もあるのに、それを感じさせないバランスのよさがありました。ビターチョコレートの苦さ、砂糖をカラメルにしたほろ苦さ、白玉のような滑らかで柔らかい酸とタンニンは懐が深く包み込むような味わいがありました。ロイノスと言えば、果実味がやたらと大きくバランスが悪い。しかし、中ほどから甘いニュアンスが一瞬にしてわずかに引き始めると、酸と調和がよくなり。あれっと思っているとタンニンの硬さが殻から抜け、滑らかになると今までの不満が一気に解消されました。とは言ってもベルターニのアマローネとロイノスは、ほぼ同じ価格です。この2本を比べてしまうとロイノスは、これも有りなのかもしれませんが。アマローネの領域に踏み込まなくてもよいでは、とも考えさせられます。すでにリストからオフにしたワインなのですが。やはり果実味の行き過ぎた感が否めません。バローロと肩を並べるようなスケールの大きいワインと考えていたので。ドン アンセルモに切り替えて正解のような気がします。