toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「リカバリー・カバヒコ」 青山美智子

2023年10月04日 | 読書日記
アドヴァンス・ヒルと言うマンションの1階から5階の5人の住人が主人公の短編集。
舞台はサンライズ・クリーニング店とその先に有るリカバリー・カバヒコと呼ばれるカバのアニマルライドのある日の出公園。
第2話以降には、それぞれ前話の主人公(またはその関係者)がクリーニング店で偶然出会うモブキャラで登場する凝った構成。
最終話にはそれまでの主人公が全員登場するというのはこの手の短編集のお約束。

内容は、色々有ったけれど希望を持って行こうね・・・ってところ。

「エスキース」より読みやすくて、個人的にはこちらの方が好き。

各話のオープニングにあるイラストはいただけない・・。





2023.9.30
光文社
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「邂逅の滝」 遠田潤子

2023年10月03日 | 読書日記
山奥の滝が舞台の短編小説集。
どれも絶望的な結末。

一作ごとに時代が遡っていき、最終話でそれまでの物語はこの物語の二人の生まれ変わりだと思わせる記述があって、なんとなくつながった感じになるけれどちょっと強引。

全ての話に望月という男が出てくるけれど、もしかしたらこの名前に何か意味が有るのかもしれないし、歴史的背景を理解していれば色々分かったかとも有ったかもしれないけれど、私には読み切れなかった。





2023.9.30
光文社
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「百鬼園事件帖」 三上延

2023年10月01日 | 読書日記
内田百閒が法政大学でドイツ語を教えていた時を描いた連作短編集。
百閒とその学生甘木が不思議な世界に巻き込まれていくけれど、言って見れば朱川湊人や宮部みゆきの書く世界に近いかな?
この感じの物語は前提が不自然なので一歩間違えると全く面白くなくなってしまうけれど、この作品は素晴らしい出来だった。

三上延ははじめて読む作家だけど、この路線で他のテーマでも書いて欲しいな。




2023.9.1
KADOKAWA
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