岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

立春前後の歌:尾崎左永子の短歌

2022年10月04日 20時26分39秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・透きとほる花の幻影夜々(よひよひ)に眠りをつつむ立春前後・「土曜日の歌集」所収。 この感覚は何だろう。幻想的だ。「花の幻影」。冒頭の「透きとほる花」桜だろうか、夜桜だろうか。なにかこう象徴を突きぬけた感覚。下の句も擬人法で表現しているが違和感がない。 普段なら擬人法を厭う作者が見事に違和感のない表現にした。  どこの花か、何の花か、個別具体的なものは「捨象」されている。「表現の限定」「言葉の削ぎ . . . 本文を読む