岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

絢爛として生きる歌:尾崎左永子の短歌

2022年10月16日 20時11分23秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・人おのおの生きて苦しむさもあらばあれ絢爛として生きんとぞ思ふ「尾崎左永子八十八歌」所収。2015年段階の自信作を収録した歌集。 「自己凝視」に強い作品。「苦しんでいるが、さもあらばあれ」と達観している。作者の「生き方」「揺るがない決意」を表現した作品だ。 佐藤佐太郎の弟子の新風。 美しく表現された「心理詠」である。 . . . 本文を読む

新緑の駅舎の歌:尾崎左永子の短歌

2022年10月16日 00時28分00秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・五月は喪服の季節といへり新緑の駅舎出づればまぶしき真昼 「尾崎左永子八十八歌」所収。2015年段階の自信作。 「五月」「喪服」とはだれが言ったのだろう。僕の知る範囲では「五月は夏用の喪服への衣替え」作者はそこからイメージしたのだろうか。和服を着こなしていた作者だからそのあたりに敏感だったのだろう。 上の句の暗いイメージから下の句は転じて明るいイメージになる。作者はこれを「起承転結」の「転」といい . . . 本文を読む