岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

犀のごと生きるとは何? 心してわが読む本の中に書きこむ

2010年03月31日 23時59分59秒 | 岩田亨の作品紹介
いつのことだったか、何か袋小路に閉じ込められたような気持になったことがある。そのとき本屋の書棚で見つけたのが「ブッダの言葉」(中村元:訳・岩波文庫)だった。

 さっそく買い求めて読んだ。「論語」と同じ形式で、ブッダの言行を短くまとめたものの集積だった。弟子との言葉のやりとりが多かった。

 「論語」は、「子曰く・・・」で始まるが、「ブッダの言葉」は「・・・犀の角のごとく生きよ。」で終っていた。

 仏教の教えはよく分からない。だが何故かこの言葉が印象的で意味を考えた。

 「犀の角は大きいのが一本で堅そうだ。一人でしっかり生きてゆくつもりになれといういみだろうか。」

とそこまで考えて、はたと思った。

 「1500年前の人々も悩みがあったのだ。」

至極あたりまえのことに気づいて何か心が落ち着いた。

「犀の角の如く生きよ。」この言葉の意味が正確にとれているかは分からない。しかし、何の気なしに出合った言葉が救いになることもあるものだと、しみじみ思った。

 そのためにも乱読でいいから読書はするものだと思った。作品化するに当たっては「犀の角の如くに」の「角」を省略した。

 こういうことが許容されるかは、賛否両論あろう。際どいところだ。




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