岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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春の雲の歌:尾崎左永子の短歌

2022年11月16日 23時35分44秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・路地曲がるたび相変ふる街空にどの部分にも春の雲見みゆ
「尾崎左永子八十八歌」所収。2015年に開催された「色紙展」の出品。この段階での代表歌だ。

「句またがり」があるものの気にならない。三句、四区、結句が定型だからだが、「春が来たよりこび」の心の揺らぎ表現する「必然性のある句またがり」だ。
又。町、路地の、個別具体的な名前は「捨象」されている。佐藤佐太郎の言う「表現の限定」、作者の言う「言葉の削ぎ落し」
 感動の中心を絞っているのだ。
 「美しい叙景歌」である。




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