岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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白椿の歌:尾崎左永子の短歌

2022年11月15日 19時10分21秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・椿白し花には花の影ありて時の記憶を思ひゐるべし
「尾崎左永子八十八歌」所収。
 2015年に開催された「色紙展」の出品作。この段階での代表作。

「時の記憶」とは何か。「季節の移り変わり」と解釈した。世がかわり、時代が変われど「椿の白」は不変である。

自然の普遍性を歌ったと解釈できる。

「時の記憶」の個別具体は「捨象」されている。佐藤佐太郎の言う「表現の限定」、作者の言う「言葉のそぎ落とし」。感動の中心を絞り込んでいるのだ。

絞り込んで抒情が「鮮明」(斎藤茂吉)となった。



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