岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

人を想う歌:尾崎左永子の短歌

2022年10月13日 20時59分06秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・誰に乞ふといふにあらねどかすかにて人想ふこと許させたまへ
 「尾崎左永子八十八歌」所収。2015年時点の自信作。「相聞歌」である。

 対象は特定されていない「捨象」されているのだが、それがかえって「一種の深み」をだしている。(曖昧というなかれ)この、やわらかで、おだやかな「相聞歌」は斎藤茂吉にも佐藤佐太郎にも、佐太郎門下の兄弟弟子にもない。

 作者の独自性だ。かつて「星座かまくら歌会」で「相聞」を詠みたいのだが何を参考にしたらよいか」と作者に尋ねたことがある「(自分の作品を参考にとは言わず)『明星派』を参考のするように」と言われた。

 尾崎流ではなく「自分の独自性を出せ」という意味だったのだろう。




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