・秋たけて炎のごとき花カンナ咲たればひと日炎のこころ
「星座空間」所有。
「NHK歌壇」の番組では「短歌平成12年10月号」と紹介されていた。そののち「星座空間」に収められた。この歌集は「緊張感があって」と作者が最も気にいっている歌集だ。
場所が「捨象」されている。佐藤佐太郎の「表現の限定」、作者の言う「言葉の削ぎ落し」。「感動の中心を絞る」のが行き届いている。
また、花カンナの鮮明な色が思い浮かぶ。「印象鮮明なるがよし」と言ったのは斎藤茂吉。
斎藤茂吉、佐藤佐太郎を引き継ぎながら、尾崎左永子は独自性を鮮明にだせた。そんなことを考えさせられる一首である。