岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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日本ペンクラブ声明「あいちトリエンナーレ『表現の不自由』は続けられるべき」

2019年09月27日 00時07分32秒 | 歴史論・資料
日本ペンクラブ声明。

「あいちトリエンナーレ2019年「表現の不自由展・その後」の展示は続けられるべきである」


 製作者が自由に創作し、受け手もまた自由に鑑賞する。同感であれ、反発であれ、創作と鑑賞のあいだに自由な意思を疎通しあう空間がなければ、芸術の意味は失われ、社会の推進力たる自由の気風も萎えさせてしまう。

 あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」で展示された「平和の少女像」その他に対し、河村たかし名古屋市長が「(展示の)即刻中止」を求め、菅義偉官房長官らが同展への補助金差し止めを示唆するコメントを発している。

 行政の要人によるこうした発言は政治的圧力そのものであり、憲法21条2項が禁じている「検閲」にもつながるものであることは言うまでもない。また、それ以上に、人類誕生以降、人間を人間たらしめ、社会の拡充に寄与してきた芸術の意義に無理解な言動と言わざるを得ない。

 いま行政がやるべきは、作品を通じて創作者と鑑賞者が意思を疎通する機会を確保し、公共の場として育てていくことである。国内外ともに多事多難であればいっそう、短絡的な見方を越えて、多様な価値観を表現できる、あらたな公共性を築いていかなければならない。

 2019年8月3日

      一般社団法人日本ペンクラブ
                会長 吉岡忍




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