岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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日本の医療体制の逼迫をもたらしたもの:国会の参考人質疑から

2021年06月23日 17時54分42秒 | 政治経済論・メモ
日本の医療体制の逼迫の原因:国会の参考人質疑から

 欧米諸国に比べて、日本での新型コロナウイルスの感染者は少ない。医療崩壊が起こるはずがないという人がいる。ここにはコロナ対策や日本の医療行政の問題がある。

 まず、PCRの検査数が少なすぎる。擬陽性、偽陰性があるので正確ではないという声も聴く。擬陽性は検査で陽性でも陰性の場合。偽陰性はその逆。これは検査を繰り返すことで克服できる。その意味でも検査数が極端に少ないのは致命的になりかねない。陽性者、感染者はもっと多いだろう。

 そこで医療逼迫の問題。原因はいくつかある。
 
 公衆衛生行政の失敗。

 1,保健所を削減し、保健センターで代替した。保健センターには医師が配置されていない。人口378万人を越える横浜市では、保健所がたった一か所。これではマンパワーが追い付かない。

 2,国が率先して、病床数をへらし、医師不足の対策を取らなかった。このコロナ禍で今国会でも病床数を減らすことが決まった。医師はoecdの基準に照らして21万人少ない。医学部の定員を削減してきたのが主な原因。医学部に定員を設けるのは先進国で数少ない。定員を定めていない国が多い。医師不足を招かないためだ。

 3,その結果の医師不足は、外来、救急医療、救命医療、感染症医療までに及んでいる。感染症指定病院で、感染症の専門医がいないという冗談のようなことが起こっている。看護師不足も同じ。

 4,病院が慢性的に赤字となる診療報酬の仕組みも問題。それでいて保険料だけが上がる。ワクチンの啓発活動も鈍い。医療のお手本と言われる、キューバでは、医療費は無料、ワクチンの接種率が高いが死者はゼロ、高額のインターフェロンを新型コロナの治療薬として無料で提供している。

 日本の保険行政、公衆衛生行政の長い空白も指摘されている。




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