「天童大人プロデュース:詩人の聲」岩田亨公演(17回目)
於)ギャルリー東京ユニマテ
「(語り)本日は御来場頂き有難うございました。今回は、制作中の作品、新作など合わせ約500首の中より読んで行きたいと思います。
先ず社会詠から読みます。」
「イスラミックステートによる殺害事件を受けて、渋谷ハチ公前広場にて」
(2月8日に渋谷ハチ公前広場で、ISによる邦人人質殺害事件の追悼集会が行われた。この会場で僕は新作の社会詠を、7首詠んだ。これを聲に初めて載せた。修正して『星座α』の第10号に連作として発表する。)
「墜落現場にて詠う」
(1977年に横浜市緑区に、米軍の空母艦載機が住宅街に墜落。多数の死傷者が出た。縁あってこの現場を知った僕は、あしかけ3年間、毎月献花をしにいった。犠牲者追悼の集いで、遺族の方に差し上げた7首である。歌集未収録。)
「社会詠44首。『短歌』誌上の投稿欄で、足かけ4年、社会詠の実験作を試みた。このうち特選、入選、秀逸、佳作となった作品を読んだ。このうち何首かは『オリオンの剣』に収録した。)
「30首詠」
(これは米軍によるアフガニスタン空爆が始まった時、怒りにまかせて詠んだ作品。表現上の欠点が多かったが、最近手を入れて、新作30首とした。いずれ発表したい。)
「50首詠(がんの手術をしたときの作品。これも古いものに手を入れ新作とした。」
「島の娘(こ)」
(離島に住む女性の暮らしを詠んだ作品。これは『星座72号』に発表する。)
「祈り」
(肉親の死の虚構を詠んだ作品で、加藤治郎の要請に応えたもの。第4歌集に収録の予定)
これらの作品は、第4歌集の核の一つとなるだろう。
そのほか時間まで目いっぱい聲に載せた。プロデューサーの天童大人からは、「語尾の発音が鮮明でない。そういう人は、家庭環境で、自分の意思が表わせなかった人に多い。」と言われた。詳しくは言えないが、僕の家庭環境はそうだったので、天童の耳のよさに驚いた。「この年に成ったら、自分で意識して直さねばならない。」ともアドバイスされた。これから心掛けたい。「詩人の聲」は、聲と作品を鍛える場だが、人間を鍛える場でもある。