今月10日以来、パレスチナ・ガザ地区におけるイスラエルとパレスチナとの戦闘が激しさを増している。背景には、長年にわたってパレスチナ人の生存権を暴力的に制約してきたイスラエルの姿勢があることは論をまたない。
この間の報道は、質量ともに圧倒的なイスラエル発と、かろうじてソーシャルネットワーク等を通じて発信されるガザ住民発のものもあるが、こうした非対称性を是正し、現実を伝えてきたのがガザ地区内のAP通信やアルジャジーラなどの海外メディアだった。
5月15日、イスラエル軍は報道機関の拠点となっていた建物を空爆し、破壊した。これはジャーナリズム活動に対する意図的な妨害行為であり、戦闘地域におけるジャーナリストの安全を定めた国際人道法にも抵触するものである。
日本ペンクラブはこのたびの過剰な空爆を強く非難し、イスラエルに対し、戦闘地域における報道機関とジャーナリストの安全および自由な報道活動を保証するとともに、事態の平和的解決を強く求める。
また日本ペンクラブは、国際社会と日本政府がパレスチナの人々の生存権を確保するための有効な行動を直ちに起こすように求める。
2021年5月19日
一般社団法人日本ペンクラブ
会長 吉岡忍