岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

霧が丘短歌会2016年11月

2016年11月22日 13時55分43秒 | 霧が丘短歌会
霧が丘短歌会 2016年11月講座 於)団地集会所



 霧が丘短歌会は地域の短歌会だ。同じ団地に住んでいる会員が多い。だがこのブログの記事を見て、遠方から自家用車や公共交通を利用して出席する熱心な会員もいる。なにより熱心なのがいい。僕が批評すると質問が相次ぐ。ここが重要だ。添削やアドバイスだけで満足する会員はいない。なぜそうなのか、どうしてそうなのか。こういう質問は短歌を始めたばかりの頃「星座」の尾崎主筆に僕が繰り返した。「粘着質」と尾崎主筆には笑われたが、これが僕の宝となっている。


 人から教わるときは、納得するまで質問するのがいい。学習塾を経営しているときがそうだった。熱心に質問してくる生徒は伸びる。だから参加者から質問があると嬉しいのだ。


 今回は心理詠、旅行詠、社会を暗示するような日常詠、挽歌、季節感のある作品。多彩なものだった。


 参加者の独自性があらわれてきた。着眼点がよい。着眼点がよいということは作者が各々ポエジーを感じているということだ。言葉遊びは一つもない。


 この短歌会では「星座」の尾崎主筆や「運河」の歌会で得たものを全部吐き出すつもりで批評する、作家の秘訣も開示する。惜しくはない。日々新しいものを増やしているからだ。まねされても構わない。僕には僕の資質がある。僕には僕の個性がある。僕と同じ人間はこの世に存在しない。


 この日は新しいことを一つ言った。


「難解な短歌を作って、『分からないことがあるのがいい作品だ』と言っている人がいるがそれは大きな間違いだ。塚本邦雄の作品は難解だ。だが意味を考える前に強烈な印象が飛び込んでくる。難解で印象が曖昧で、意味を考えなければならないのは詩とはいえない。」


 これはこの一年間でたどり着いた結論だ。塚本邦夫の影響を受けているという人の作品にそういう傾向を感じる。塚本邦夫はサンボリズムを唱えた。象徴主義だ。近現代詩の象徴詩、シュールリアリズムの作品を読めばわかる。

 例えば西脇順三郎、吉田一穂。読んだあとに強く美しい印象が残る。塚本の作品もそうだ。だから近現代短歌の秀歌を読むのと現代詩の秀作を読むのは必須だ。


 そこで参考文献を紹介した。

1、『現代短歌の鑑賞101』小高賢編

2、『現代詩の鑑賞101』大岡信編


 引き続き会員を募集する。連絡先045-922-5542(岩田自宅)

 会場は田園都市線青葉台駅よりバス(市営バス65系統)15分。霧が丘公演下車1分.。

 次回の講座は12月19日10:00から12:00まで。

  受講料1回1500円



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