フラメンコライヴ@赤坂 2018年10月25日 於)novennver eleventh
この店は、宇崎竜童と阿木曜子の経営。そのためだろう、音響が優れている。舞台も整っている。ライブハウスだが、なにか垢抜けた感触がある。東京メトロ千代田線の赤坂駅の1番出口から徒歩。この店に行くのは2回目。前回もフラメンコのライヴだった。
フラメンコはジプシーの舞踏。初めて見たのは神田神保町の「オーレオーレ」という店だった。ここでフラメンコには音楽性と舞踏性があると気づいた。そこでバイレと言われるダンサーに聞いた。
「フラメンコは見に来るものですか、聞きに来るものですか?」
「両方でしょう。」これが答えだった。聞いたのは噺家が落語を見に行くというと、不本意な顔をするからだ。「落語は聞きに行くもの」だからだ。
「フラメンコは見に聞きに行くもの」。ここに音楽性と舞踏性の裏付けがある。
だが今回のライヴでは新しい発見があった。演劇性もある。喜怒哀楽を表現したストーリーが感じられる。「バイレ」の独自性もある。若手は、晴れやかに賑やかに演じる。中堅は落ち着いた様子で演じる、ベテランは、表情豊かに演じる。
「バイレ」個々人の表情が違う。手足体で演じるのだが、顔の表情でも演じている。これが何とも楽しい。今回は「バイレ」の表情に注目した。表情豊かに演じるのは難しいだろう。音楽に合わせ、体で踊り、顔の表情でも表現する。
音楽と舞踏性から、フラメンコは能楽に似ていると思ったが、「バイレ」の表情は歌舞伎俳優が「ミエ」を切るのに似ている。踊りの節々で「オレ」という掛け声がかかるが、その瞬間の「バイレ」の表情が歌舞伎の「ミエ」そのもの。
修練にはかなりの時間を要するだろう。
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