平和社会を望む歌 by尾崎左永子「星座α」20号より。
・平和社会崩るるなかれ戦時には個人の自由許されざりき
「星座α」の尾崎主筆は、療養中。だがら一首一首の作品と、「星座α」の歌会での短評が、僕たちに伝えておきたい言葉だと、噛みしめている。
作者は東京大空襲を体験している。商業誌などでは「東京大空襲の焼け跡を逃げまわった」などとされているが、直接を聞くと、忘れ得ない凄まじい体験をしている。
「東京大空襲の焼け跡で赤ん坊の死体をまたいで避難した」と言うのだ。
「星座かまくら歌会」終了後の喫茶店で何度も聞かされた。作者にとってそれほど、「平和は尊く、戦争は忌むべきこと」なのだ。
政治的立場はさておき、こうした思いは作者の心に刻み付けられている。「私は右翼だけれど(左翼ではないという意味)、安倍さんのやり方は許せない」という言葉も聞いた。戦時中に大学で煎り豆を摘まみながら授業を受けた、「星座」誌上では、「舞鶴で帰還兵の出迎えを、青年共産同盟の若者たちとおこなった。」とも書かれていた。
平和を望む心に、左翼も右翼もなかろう。