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保守記事.391-5-4 どう生きるか

2011-09-21 17:08:04 | 記事保守

日本人がやっと抗議したと欧米人が安堵? 数万人の脱原発集会(gooニュース・JAPANなニュース) - goo ニュース

2011年9月20日(火)21:00 英語メディアが伝える「JAPAN」なニュースをご紹介するこのコラム、今週は19日に東京・新宿で開かれた「脱原発」集会に ついてです。あらゆる英語メディアが大きく取り上げたわけでは決してありませんし、取材しなかったところも多いですが、取材した記者たちの文章からは、参 加者6万人(主催者発表)という数字に「やっと日本人もデモしたよ」と安堵した様子が伝わってきました。(gooニュース 加藤祐子)

○2万人と6万人と3%

東京は新宿区の明治公園で開かれた「さようなら原発集会」について、私がざっと見回したところ、英BBCや米CNN、米紙『ニューヨーク・タイムズ』や米紙 『ワシントン・ポスト』といった、おなじみのいわゆる主要メディアはどうも現地で取材していないようで記事が見つかりません。まあ、そういう関心の度合い が、記者の人数も少ない外国メディアとしては順当かなと思います。

その一方で、いざ蓋を開けてみたら6万人(主催者発表)も集まったからか、現場取材していたAP通信マルコム・フォスター記者の配信記事が、『ワシントン・ポスト』や豪紙『シドニー・モーニング・ヘラルド』米紙『ボストン・グローブ』米ニュースサイト『ハフィントン・ポスト』などなどなどと、実にあちこちで掲載されていました。

「原発事故を懸念し東京で数万人が原発に抗議行進」という見出しのこの記事は、「『Sayonara nuclear power(原発さようなら)』と唱えながら何万人もの人が行進したこのデモについて、「ずっと長いこと原子力発電に慣れきっていた日本の人たちが、いか に(原発事故に)揺り動かされているかを改めて強調するものだ」と評しています。

さらに記事は「チェルノブイリ以来最悪の原発事故」に よって原発周辺に暮らしていた約10万人もの人が退避を余儀なくされ、果物や野菜、魚や水に至るあらゆるものの汚染が心配されるようになったと説明。8歳 から14歳の子ども4人を連れて参加したという43歳女性の「食べ物の安全性がとても心配。子どもたちに安全な未来を残したい」というコメントを紹介して います。また、福島から参加した女性が自らを「hibakusha」と呼んだことにも触れ、「これは広島や長崎の原爆生存者にとって、たくさんの思いが込 められた感情的な表現だ」とも解説しています。

記事は参加者の人数について、警察推計は2万人だが、主催者は6万人と発表していることも 説明。一方で、AP通信と調査会社GfKが7月末から8月上旬にかけて共同実施した世論調査によると、日本人回答者1000人のうち55%が、国内の原発 を減らしたいと答えたのに対し、現状維持がいいと答えたのは35%、増やしてほしいと答えたのが4%で、原発の全廃を求めるという人は3%だったことも解 説。つまり、今回のデモが必ずしも日本人全体の総意を表しているわけではなさそうだというのが、データの並列によって示唆されています。

ロイター通信の記事は 「過去25年間で世界最悪の原発事故から6カ月、日本の原発依存を終わらせようと6万人が東京都心に集まった」という書き出しで、大阪市内から参加したと いう39歳女性の「原発政策を変えるなら今しかない。今やめさせなければ、もうずっと無理だと思う」というコメントを紹介。「参加者の多くは福島から来て いた」として、「私たち福島住民はもちろん放射能が見えるわけでもないし匂いがするわけでもないが、広がっているはずだと確信している」という福島から来 た男性のコメントも紹介しています。

被災地や原発周辺、原発作業員の取材を丁寧に重ねている英紙『ガーディアン』の東京特派員、ジャスティン・マッカリー記者は、「Fukushima protesters」が日本の脱原発を訴えたという記事を書いています。「Fukushima protesters」は「抗議する福島の人たち」の意味にもとれるし、「福島第一原発の事故に抗議する人たち」にもとれる。両方かな、と思います。

「これほどの規模のデモ集会は、日本ではもう何年間もなかった。警察によると参加者は2万人、一方で報道によると6万人と」と両方の数字を出し、「福島第一の 危機が3月に始まって以来、原発に反対する市民の意見表明として最大の抗議行動」だったと説明しています。「福島県の住民を含む参加者たちは、日本の原発 の即時全停止、ならびに再生可能エネルギーを中心とする新しいエネルギー政策を求めた」と。

ちなみに、集会に作家の大江健三郎さんや作曲 家の坂本龍一さんが参加していたことは、AP記事は文末で触れていましたが(配信先のデスクが記事を短くする ために削るとしたら、文末から削ります。新聞記事も同様でデスクに削られたくない要素はなるべく上の方に書きます)、ロイター記事は4段落目で両氏に言 及。このガーディアン記事は著名人参加者として、日本国外でもそれなりにネームバリューのある大江氏と坂本氏の名前をあげただけでなく、「原発に反対した ため芸能事務所を去ることになった俳優の山本太郎」氏も紹介。「電力は足りている。このままでは日本は核廃棄物の置き場になる」というその発言も取り上げ ているのが、日本に詳しく日本語話者でもあるマッカリー記者らしいなと思います。

ガーディアン記事は、休止中の原発を再稼働しなければ日 本は電力不足に陥ると経団連など原発推進派が警告していると説明。そしてそれについて集会で大江氏が、「私たちはそれに抵抗する意志を持っていることを、 政党の幹部や経団連に、デモで思い知らさねばならない」と述べたことも紹介しています。

この記事についているコメント欄のやりとりが、ある意味で原発議論の論点がいくつか出ていると思ったので、こちらも少し紹介します。

「まるで温暖化などなかったみたいだ。温暖化はいずれ何千万人を死なせる。原発は今のところ日本で2人を死なせた。温暖化対策として最重要なのが原発だ」とい う意見が真っ先に書き込まれたのを皮切りに、続いて「そんなこと考えるまでもない。スリーマイル島やチェルノブイリやウィンドスケールや、その他の原発に 関わる『ささやかなミス』を見れば一目瞭然だ。たったひとつのミスで、何世代にもわたって影響が出る」という反論が書き込まれています。するとさらに別の 人がこれに対して「そういう諸々の事故の被害者をぜんぶ足し合わせても、化石燃料による犠牲の人数よりは少ないんだよ。日本では津波によって何万人も流さ れたけど、沿岸部に市町村を作らせるなと運動する人はいない。アメリカでは石炭を使う発電所から出る微粒子で毎年1万3000人が死んでいるけど、それも ニュースでは聞かない」と(最後の1万3000人というデータは、アメリカ肺協会の2011年報告書にありました)。

記事のコメント欄ではさらに、「日本のデモ参加者を100%支持する。これは単に原発停止や核拡散防止の問題にとどまらない。これはいかに日本人がこれまで と違ってきちんと自分たちの声を政治に反映させるか、そしていかに日本人が東電みたいな巨大な多国籍企業と対決するかという問題でもある。(略)持続可能 で再生可能なエネルギーの分野で日本が主要な役割を担っている未来が容易に想像できる」とも(東電は多国籍企業ではありませんが、 「multinational big business」というのは一部の人にとっては巨悪の象徴なので、そう書いているのだろうと思います)。 ○ついに、ようやくという欧米の視点

そのほかの詳しい記事としては、オーストラリアABC放送の マーク・ウィラシー記者のリポートがありました。いわく、「日本の反原発デモで警官よりデモ参加者の方がたくさんいるという、珍しいケースだった」と。 「参加者にはファッションデザイナーたちもいればホームレス支援団体もいた。有名人も会社員も主婦もいた。演説の内容に、大勢が涙ぐむこともあった」と も。

そして、「ここまでくるのに6カ月かかったが、この国の反原発運動はついにある程度の勢いを獲得した。福島のメルトダウン以来、今回 のこれが最大のデモだ。しかし参加者たちにとって、この勢いを持続させるのが課題となる。特に新しい総理大臣は、原子力発電を維持したいと示唆しているので」と記者は報告しています。さらには、「この国はようやく、あるべき形で動き出した。そういう人もいるだろう。自分の国の政府や原発企業が果たしてきち んと仕事をしているのか、ついに何万人もの市民が公然と疑問を呈し始めたのだ」と。

ウィラシー記者が書いている、日本がやっとここまでき た、「ようやくあるべき形で動き始めた」という思いには、多くの欧米人が同調すると思います。私が直接やりとりしている人たち、あるいはtwitterな どで目にしている人たち(いずれも日本生活経験者の欧米人)の多くが、まさに同じことを言っているので。

ここから先は私の意見ですが、基 本的にデモとか政治集会とかで大事なのは参加人数ではないはずだと思っています。大事なのは発信されるメッセージがどれだけ多くの共感を得られるか、その メッセージがどれだけ政策決定プロセスに影響を及ぼすかだと。なので、「2万人」とか「6万人」という人数をそれ自体でどう評価するつもりもありません。 単なる数字上の比較なら、たとえばアメリカの政治風刺で大人気のコメディアン、ジョン・スチュワートが去年ワシントンで開いた「正気を回復するための集 会」の参加者は21万人超(マスコミ推計)でした(私もそのひとり)。あるいはイラク戦争開戦に反対して2003年2月のロンドンで行われたデモは、警察発表75万人、主催者発表200万人弱でした。

参 加人数の多い少ないを云々しても、上には上がいるし、たとえ200万人が行進してもイギリスのイラク戦争参戦は食い止められませんでした。「ふだんは政治 集会なんか参加しない」理性ある人たちが21万人以上もワシントンに集まったからといって、アメリカの政治議論からクレイジーな極論が消えたわけでもあり ません。

ただし英語圏、ないしは欧米圏では、民主国家の良心ある市民たるもの政府や政治に不満がある時は平和的な抗議行動に出るものであ る、それが市民としての権利であり義務である——という「常識」が18世紀くらいから徐々に成立しています。それが当然だという感覚は、今や本能に近いも のになっていると言ってもいいかもしれない(もちろん、たとえ「常識」だからといって特に行動はしないサイレントマジョリティがマジョリティなのはどこで も一緒ですが)。なので、「どうして日本人はこれだけ東電や政府にひどい目に遭わされているのに、デモしないんだ」と不思議がる、ないしは違和感を覚える 人たちが、現に私の知る限りでも実際にたくさんいました(震災直後に「日本人は暴動しない、略奪もしない、すごい」と褒められたことの裏返しとも言えま す)。

豪ABC放送のウィラシー記者はその違和感をずっと抱えてきたのではないか、そう想像します。そして私の知り合いたち同様、やっと 「警官より大勢」の日本人が集まって抗議する姿を見て、やっと自分たちの「常識」の範囲内に日本人が収まった、これなら理解できると、ある意味でホッとし ているようにも思えます。

日本人は何をされても権力に抗議しない不気味な連中……という違和感が欧米人の間で多少なりとも払拭された。その意味でも、「さようなら原発集会」は有意義だったのではないかと思います。

保守記事.391-5 許されざるもの
保守記事.391-5-2 早めの処置を怠ったばかりに
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保守記事.391-9 FUKUSHIMA差別


保守記事.101-138 この国の現状

2011-09-21 16:49:32 | 記事保守

覚醒剤・売春強要、少女保護の児相は虐待見逃す

 覚醒剤取締法違反容疑で逮捕された札幌市の無職少女(16)が、実母から売春や覚醒剤の使用を強要されていた事件で、児童相談所が3年前に少女を保護しながら、虐待を把握できていなかったことが20日、わかった。

 少女は実母に言われて小学6年の時から売春を始め、中学校にほとんど通っていないが、虐待と認識していなかった。深刻な家庭環境の中で続いていた虐待は見逃されており、教育委員会や学校側の対応にも課題を投げかけている。

 北海道警によると、40歳代の実母は覚醒剤の乱用者。少女は小学6年の時から、実母が使用する覚醒剤の費用を稼ぐため、売春を強要されていた。3年前に実母が覚醒剤使用で逮捕され、少女は1年以上、児童自立支援施設で暮らした。その後、実母、少女とも同居を望んだことから再び一緒に住み始めたとみられる。児相の職員は「性的虐待を把握していれば、同居はさせなかったはず」と話しており、当時、少女の売春は把握していなかった。

 今年5月に実母から「気分が悪いときに使うとすっきりする」と勧められ覚醒剤を始めた。児童自立支援施設では、薬物乱用防止教室もあり、少女は「覚醒剤の恐ろしさを学んだつもりだったが、母の勧めに逆らえなかった」と話しているという。

 少女は母親の再婚相手に覚醒剤を注射されたり、少女にわいせつ行為をしたとして20日に道青少年健全育成条例違反容疑で逮捕された元暴力団員山本憲彦容疑者(36)の元へ、覚醒剤を買いに行かされたりしていたという。中学校にはほとんど通わず、高校には進学していない。少女は先月末、家裁に送致され、今月下旬にも少年審判が開かれる。
(2011年9月21日11時51分  読売新聞)

 

母にすすめられ覚醒剤、命じられ売春の16歳

 先月中旬、札幌市の無職少女(16)が、札幌西署に覚醒剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕された。

 少女は、小学6年の頃から実母に命じられて売春をし、そのほとんどを実母に渡していた。覚醒剤も実母に勧められて始めた。道警捜査員は「あまりにひどい家庭環境」と虐待ともいえる生活実態に言葉を失う。

 同署は20日午前、少女にわいせつ行為をしたとして、暴力団関係者の男(36)を道青少年健全育成条例違反容疑で逮捕した。

 少女が逮捕されたのは8月中旬。札幌市内の自宅アパートにいたところを任意同行を求められ、尿検査で覚醒剤成分が検出された。実母の再婚相手に注射されたという。

 捜査員にした少女の説明では、両親は幼い頃に離婚し、実母と生活していた。きょうだいは何人かいるが、父親が誰なのか説明できないほど複雑。実母は覚醒剤の乱用者で逮捕もされている。

 少女は、実母に命じられ小学6年の時に初めて売春をした。自分で出会い系サイトにアクセスして相手を探し、もらった約1万円は実母に渡した。実母からは「覚醒剤が欲しいので、やってきて」と命令されることもあったという。

 実母が覚醒剤使用で逮捕された数年前、少女は児童相談所に保護された。しかし、実母が出所すると再び同居を始め、中学にはほとんど通わず、実母や暴力団関係者とのつながりの中での生活が続いた。

 少女は、中学1年から2度の中絶を経験。肩や胸には母親と再婚相手に入れられたアルファベットのタトゥーが痛々しく残る。少女に、これまで逮捕歴はなく、こうした生活実態は、取り調べの中で判明した。

 少女が覚醒剤を始めたのは今年5月から。実母に勧められ、逆らえなかったからだという。20日に逮捕された男は、覚醒剤の売人とみられている。

 捜査員によると、少女は「家賃は大丈夫かな」と、住んでいるアパートの家賃の支払いを大人のように心配することがある。最近は「専門学校に行って仕事をしたい」と将来について話すようになったという。

 少女は先月末、家裁に送致された。今月下旬にも少年審判が開かれる。
(2011年9月20日14時45分  読売新聞)

保守記事.101-122 この国の現状
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保守記事.101-135 真の犯罪者は、誰?
保守記事.101-136 ぼくたちの将来は。。。
保守記事.101-137 原因は母親がブレまくっているからだと思う


保守記事.391-9-2 これも「セシウムさん」

2011-09-21 11:20:20 | 記事保守

福島産花火の打ち上げ中止 「放射能の恐れ」愛知・日進

 愛知県日進市の市役所周辺で18日夜あった花火大会で、福島県産の花火に対して市民らから「放射能をまき散らす恐れがある」などの声が寄せられたため、打ち上げを中止したことが19日わかった。

 大会には11万人が来場し、約2千発が打ち上げられた。福島県川俣町の業者がつくったスターマイン1基(80発分)も打ち上げる予定だった。しかし、地 元商工会や市職員有志らでつくる実行委員会によると、17日昼過ぎから電話やメールで市民らから「汚染された花火を使うな」など約20件の抗議や苦情が寄 せられたという。実行委は放射能を測定する機器がないなど「大会までに安全性が確認できない」と中止を決め、愛知県内の業者の花火に替えた。

 花火大会は昨年、7年ぶりに復活した。今年は東日本大震災の「復興支援」がテーマで、日進市に転居した被災者43人を特別席に招待し、18人が鑑賞し た。実行委は「普通は花火の産地まで公表しないが、今回は東北3県の業者名をチラシに入れたことで注目を集めたのかもしれない」という。

 市は花火を含む祭りに850万円を補助して、事務局を担当。萩野幸三市長は「市民の安全を守るのが市なので、実行委の判断を受け入れた。難しい決断だったと思う」と話した。

 川俣町は一部が原発事故で計画的避難区域に指定されているが、花火を作った業者は区域外にあり、敷地内の放射線量は避難の目安となる基準を大きく下回っている。業者は「東海地方に避難している人もおり、福島の花火だと喜んでもらえると思い協力したのに残念」と話した。

 

愛知・日進市に抗議1850件 福島製花火打ち上げ中止

 愛知県日進市が花火大会で福島県川俣町の業者が製造した花火の打ち上げを中止した問題で、市は20日、萩野幸三市長が週内に同町を訪問し、業者と古川道郎町長に謝罪することを決めた。市には同日午後5時までに、メールや電話で計約1850件の抗議があった。

 市によると、市長は業者らに、これまでの経過を説明するとともに、「打ち上げを中止したことで風評被害を広めた」と謝罪の意を伝えるという。

 

 愛知県日進市で18日にあった花火大会で、実行委員会が福島県産の花火の打ち上げを中止したことに対し、実行委事務局を務める同市に「なぜ中止に したのか」という抗議電話やメールが殺到している。19日から20日にかけて電話約100件、メール約200件が寄せられ、ほとんどが批判という。実行委 は、打ち上げなかった福島産の花火を来年の同じ花火大会で打ち上げる方向で検討を始めた。

 実行委は「打ち上げで放射性物質が拡散するのでは」などと心配する市民の電話約20件があったため、福島産花火を別の花火に差し替えた。市による と、批判は「20件だけの意見にもかかわらず中止にして、より広い影響を与えたのは判断の誤りだ」「過敏に反応する人に配慮するのはいいが、差し替えの必 要はない」などの内容が多いという。

 担当の市産業振興課は「福島の花火を中止したのは、放射線量の確認が間に合わなかったためで、危険だからではない。だが、そういう受け止め方が広まってしまっており、中止は失敗だった」と話している。【岡村恵子】

毎日新聞 2011年9月20日 12時52分(最終更新 9月20日 13時40分)

 

福島製花火だけ打ち上げ中止…愛知県日進市

 愛知県日進市で18日夜に行われた花火大会で、主催者が福島県で製造された花火の打ち上げを中止していたことが19日、分かった。放射性物質の拡 散を不安視する市民らからの苦情を受け、急きょ、福島の花火80発を、愛知県内で製造されたものに差し替えた。問題の花火は福島第1原発事故の前に製造さ れ、屋内で保管されていたものばかりだった。主催者側は、今回使わなかった花火を検査に出し、来年の大会で使用することを検討している。

 花火大会は、18日夜に行われた「にっしん夢まつり・夢花火」。主催者の実行委員会によると数か月前に、東日本大震災の復興を支援するため、福島 県で製造された花火の使用を計画。愛知県内の業者を通じ、福島県川俣町の「菅野煙火店」から、花火「スターマイン」80発を取り寄せた。

 だが、大会前々日の16日から、実行委に苦情や問い合わせの電話、メールが入り始めた。福島第1原発の事故の影響を危惧した住民らから「放射能を 散らばらせるのか」「不安だからやめろ」という抗議が約20件。9月に入り、ホームページ上などで福島の花火を打ち上げることを告知していた。ほかにも岩 手、宮城両県の花火も打ち上げることを告知していたが、中には「やめるなら、岩手、宮城のも全部やめろ」という抗議もあったという。

 実行委は、菅野煙火店の敷地内の放射線量が国の許容値以下であることを確認しており、一度は計画通り打ち上げる方針を固めた。だが前日の17日に 再度、協議し「花火の放射性物質の数値をデータで出せない。市民が不安を感じる状況では難しい」と、中止と差し替えの判断を決めた。打ち上げられた 2000発のうち、岩手、宮城のものは計画通り使用された。

 同煙火店の菅野忠夫社長(77)によると、今回の花火は福島第1原発の事故の前に製造し、屋内保管してあったものばかりだという。また同社の敷地 は計画的避難区域の外だった。社長は「悔しいですよ。きれいな花火を作って、見ていただこうとしただけなのに、残念というしかない」と声を絞り出した。

 打ち上げ中止について、日進市の萩野幸三市長は「福島の皆さんには深くおわび申し上げたい」と謝罪。実行委は、今回の花火を放射性物質検査に出し、検査をクリアすれば来年の大会で使うことを検討しており、「準備を進める」という。

 

保守記事.391-9 FUKUSHIMA差別