



透明「それじゃ~、釜野さん

看護婦さんを辞めたら、何をしたい
」

釜野「えっ
そ、それは・・・
」


透明「それは
」

釜野「・・・考えていません
」

透明「それって、一生看護婦さんを続けるってこと
」

釜野「はい
私にはそれしか無いので
」


なるほどな~

これだけ仕事に自信をもっているとそうなる
のも頷ける・・・



透明「釜野さんは、真面目だね
」

釜野「い、いいえ
そんな
」


透明「それじゃ~、もう一つだけ聞かせて
くれるかな
」

釜野「
」

透明「今、釜野さんは看護婦さんとして頑張って
いるけど、満足している
」

釜野「えっ
」

透明「看護婦としてでいいよ
」

釜野「も、もちろん、満足はしていません

もっとスキルを身につけて、自分が出来る
幅を広げないといけないし、患者さんの
立場に立って苦しみを理解してあげなくちゃ
いけないと思っています
」
立場に立って苦しみを理解してあげなくちゃ
いけないと思っています

透明「正論だね
」

釜野「
」

透明「釜野さんの言っていることは、正しい

でも、それは正論であって、そこまで出来る
人はいないものだよ
」
人はいないものだよ

釜野「
」

透明「って、婦長さんに言われたでしょ
」

釜野「なっ
」


透明「まあ、婦長さんの言っていることも正論かも
しれないけどね
」

釜野「そ、そうでしょうか 

私は、そうあろうと努力しています

今は無理でも、いつかそうなれるように
今を頑張るしかないじゃないですか 

それに、患者さんの立場に立たないと
患者さんが何を望んでいるかもわからない
じゃないんでしょうか
」


モヤ~ 

んっ
・・・・・気のせいか



透明「確かにその通りだね

釜野さんのスタンスは、私としては正しいと
想っているし、いつかそうなれると信じて
いるのだけど・・・。
想っているし、いつかそうなれると信じて
いるのだけど・・・。
でも、本当に患者さんの立場に立てるのかな
」

釜野「えっ
」

透明「これは、私の考えだから、釜野さんの考えと
違ったらごめんね

私はこの仕事を始めて、いつも想うことがあるんだ

それは、その人の立場にどこまで立てているのか

ということ

ここは、釜野さんと同じかもしれないね

それともう一つ

自分が経験していないようなことを、本当に理解
できるのだろうか
という悩み
」
できるのだろうか


釜野「
」

透明「私は、この力のおかげで多少は相手の人生を
トレースすることはできる
でも、相手の心


その時の感情まではトレースできないんだ

そうなると、実際に私は相談者の方の悩みを
どこまで理解できているのか
どこまで理解できているのか

その人の苦しみを本当の意味で理解できるのか

疑問が残るんだ
」

釜野「そ、それは・・・
」

透明「病気をした人は、その病気の苦しみをどう受け取り、
どうやって乗り越えているのか

その時の感情、痛み、悲しみ、恐れ、どの感情を
とっても、私には到底理解出来ないかもしれない

釜野さんはどうおもう
」

釜野「確かに・・・・・・そう・・・ですね

私、おこがましかったです
先生でも悩んでいるのに

私なんて
」

透明「いやいや
そこまでは考えることじゃないよ


こういうモノは、いつまでたっても尽きない悩み

でも、そこに気づき、悩める人が釜野さんの理想と
する人間像を形成するものだからね
」
する人間像を形成するものだからね

釜野「はい・・・
」

透明「まあ、今回のことは婦長から言われた言葉が
大きかったみたいだね

そこからずっと、抜けられないでいるみたいだよ
」

釜野「私、婦長の言葉を気にしないようにしてきた
つもりだったのですが・・・きっと、周りと私の
温度差が原因だったから
図星をつかれて

いつまでも、心に残っちゃっていたんですね
」

透明「まあ、そういうときもあるよ

ただ、まだイライラは解消してないでしょ

原因はわかったけど、根本治癒にはいたってないから
もう少し話をさせてね
」

釜野さんをそこまで追い込んだ原因はわかった
のだけど・・・。
のだけど・・・。
次回、彼女の心の動向に迫ります 

続く ・・・。







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