呪詛の呪解には、2つの方法がある
ひとつは、
呪詛として用いられる媒体を破壊
もしくは媒体の力を消去する方法
この方法は機械などを動かしているバッテリーや
電池を取りさらう感覚と同じだが、今回の場合、
樹院様自体がこの媒体となるため、この方法は
使えない
ということで、もう一つの方法
それは、
呪詛に用いられる呪自体の力の根源を
分解、消去する方法である
通常では、こちらの方法の方が難しく、呪の見極めに
苦労するのだが、今回は逆に分かりやすい
本来、呪詛で媒体となるものを永続的に従え、
呪で縛り付けるとなると、媒体となるモノと同じ
力の流れを持つ気質が必要となり、その気質を
常に補充する作りをして行かなければならない
という意味では、樹木である樹院様の気質は木気
それを縛り付け、気質を絶やさないように構成すると
なると、同じ木気の術式を使い、比和(ひわ)を
起こさなければならないワケである
(
ちなみに比和は、共に上昇を意味します)
ということは
木気を断ち切り呪を消去する方法は、五行にて木気の相剋と
なる強い金気をあてがい消滅させることが一番簡単な方法
となるわけです
透明「ということで
神の静寂(しじま)をうきみれば、纏いし流れ
逆行かん木気・金気をくらぶれば、
剋なす輪もひさしたもうな
跋・扈・嬰・燎・娑・・・・・・如律令 」
樹院「
おおおおおおおおおお 」
怜「
おおっ古神道」
気を操るには、神道系の術式が一番早い
とは言うモノの、周りのお坊さん達が仏教系の術式結界を
張ってくれていなければ、樹院様の中の邪気達は外へ
排出されてしまっていただろう
透明「よし
これで大丈夫
後は・・・。
(
樹院様お気を静めください)」
樹院「おおおおおお ・・・・・。」
透明「(
樹院様、このまま体内の浄化を始められますか)」
樹院「・・・・あいわかった ・・・・。」
樹木はその性質上、
体内の気質を分解することに長けている
その為、昔から風水などでも鬼門を封じたり幸運を運ぶ為に
用いられたりもしてきたのだが、これだけ大きな巨木ともなれば、
体内の障気ですら浄化することができるはずだ
私は、しばらく樹院様の状態を視ながら樹院様の
これからを考えていた・・・。
続く・・・。