

まさに怪物

姿をみせた呪いは、私達が想像していた
ものと、まったく違うものだということを
まざまざと見せつけられた・・・。
陣「これ・・・呪いというより・・・

透明「生き物だな・・・

怜「・・・・。」
今まで、視れるモノには何らかの対処が
あると信じ、その除去に対するプロセスは
経験上、生まれてくるものと信じていた

しかし、ヨナちゃんの身体に巣食うモノは
今までの経験を覆す存在だった・・・。
怜「この怪物は、欲の想念・怨念・神の意思が
作り出した異物・・・どこから手をつける

透明「・・・・。」
陣「透明


透明「う~ん・・・・

さすがに、こんなものは初めて視る・・・。
想念や怨念の類が混在するというのは
今までも視てきたが、そこに絶対的な
神の意思、つまり呪的要素が、その存在を
確固たるものとしてしまっている

その上、ヨナちゃんの先程の様子をみても
わかるように、霊気を開放して身体の格子を
開いた状態でも一端しか視えないのは、
確実に魂に喰い込んでいるからだろう

もしあのまま、全体を身体の外へ排出しようと
すれば、魂ごと身体から抜けてしまう・・・。
一体、どうすれば


陣「・・・一か八か、やってみようか

透明「えっ


怜「・・・なにを

陣「う~んと・・・上手く言えないけど、
あの表面上のパール色の呪いだけ
吹き飛ばすことって出来ないかなぁ~


透明「どういうこと

陣「う~んと~

表面と内側にあるモノって
違う気がするんだよね・・・。」
怜「

陣「つまり・・・
なんて言えばわかりやすいかなぁ~


あっ


透明「はぁ


怜「チョコボール


陣「よ、要するに

俺から視ると、そんな感じなんだよ


外のチョコにコーティングされて
中にピーナッツみたいな・・・。」
透明「・・・・。」
怜「・・・陣のボキャブラリー


ピーナッツより、キャラメル派

透明「派閥はいいから



陣「う~ん

一つの怨念や想念から成っているけど
たまに、どちらも含まれているものも
あるよねぇ


呪いとして成立しているのは、
その想念と怨念の目的が一緒というか
最終的な目的が一緒の場合にだけ
共存して一つの呪いを形成している
のが普通だと思うんだ・・・。」
透明「つまり陣は、あの怪物の表の意思と
内側の意思が違うと言いたいんだね

陣「うん


怜「・・・ありえないよ

陣「なんで

透明「混在する念や想い、呪に関しては、
同じ目的や方向性が一定でなければ
存在として形成されることは無いんだよ

陣「う~~~ん

それはわかってるんだけど・・・

なんだかさぁ~

存在自体が闘ってるっていうか・・
ネガティブな感情とそれを浄化しようとする
感情がある気がするんだよなぁ~


透明「

ネガティブキャンセラーを持つ陣には、
この怪物の意思が視えている

それって、もしかして ・・・。
続く ・・・。







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